life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

秋なので芸術でも。その2

2008-10-10 20:43:32 | 【旅】ぼちぼち放浪
 続いてハンマースホイ展。
 以前何かの展覧会で見た「室内、ストランゲーゼ30番地」が印象に残っていた画家ですが、このタイトルの作品がたくさんあるので実は当時見た作品がどれだったのか思い出せません(笑)

 建物、特にクレスチャンスボー宮殿の描写には顕著でしたが、特徴は彩度を抑えた、モノトーンに近い色使い。それに人物を極力排した画面構成。ある意味生気がないともいう。
 あと、ちょっと印象派のような点描に近いタッチ(輪郭はちゃんとあるけど)は、東山魁夷や平山郁夫を一瞬髣髴させるところもありました。個人的には。
 風景では圧倒的に「ゲントフテ湖、天気雨」が印象に残りましたね。湖面に反射する日の光。ああいうのって何でこんなに惹きつけるのかなぁ。ほかの画家さんでも、この手の描写のある作品はかなり気に入るものが多いです。
 それともう1点は「フォトゥーネン近く、イェーヤスボー、デューアーヘーウェン自然公園」。丘の上の木立を描いているのですが、生い茂る葉の輪郭が逆光でぼやけ、対照的に幹ははっきりくっきり描かれています。そのバランスが絶妙な光を表現していて、とてもよかった。

 真骨頂は室内画ですが、よくよく見ると構図がひねってあったり、家具や影が微妙に不自然だったりで、人物を配することが少ないということもあり、実験というよりある意味病的にも見える部分(室内図じゃないけど、奥さんの肖像画がなぜか緑色っぽい肌になってたとか)もあります。フェルメールに似た光を発するだけじゃない、ちょっと違った何か。
 「中庭の眺め、ストランゲーゼ30番地」は、人物がいた「中庭を眺める女性」と同じように、一角の開いた窓だけに光が当たっていて、浮き立ってます。そこに何があるわけでもないけど、何か目を凝らさずにいられない。不思議です。

 いやしかし、予想通り人が少なかった(笑)。おかげで快適に好き放題見ることはできましたが。フェルメールはやっぱり人が多かったし……
 と、考えて、だったら明日だってよそよりは少ないんだろうから、大琳派展は今日の夜間に見ておくべきだったのかもしれない。と思い当たり、ちょっと失敗した気分。仕方ないので予定通り明日行ってきます。薬師寺展が(日曜だったけど)かなり死ぬ思いだったし、きっと今回もそんな感じと予想されるので、がんばらなくちゃ……うう。

秋なので芸術でも。その1

2008-10-10 16:03:26 | 【旅】ぼちぼち放浪
 フェルメール@上野です。詳しくないですが、大好きな画家です。
 「絵画芸術」が出品中止になったのは残念でしたが……でも「小路」はやっぱり良かったし。

 なんとなくですが、フェルメール、対象が小さくなればなるほど繊細に描いている感じが、今さらだけどします。人物の肌とかはみずみずしさよりももったりした円熟味を感じるのに対し、ワイングラスやテーブルクロスの柄、ステンドグラス、牛乳壷やパンなどなど、さらに風景画の町並みや煉瓦の壁などはとにかく精緻な印象を受けます。そしてそれを調和させるあの光と、光が生む影。いつ見ても、いつかデルフトに行ってみたい! と思わせます。

 他に気に入ったのはファブリティウスの「歩哨」、フェルコリエの2作品かな。フェルコリエは特にドレスの質感がすごく目を惹きました。フェルメールの「ワイングラスを持つ女」なんかもそうですが。

 では続いて西洋美術館に行ってみます。