life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

帰ってくる男

2005-01-09 23:22:17 | 【野球】オフにキャンプにOP戦
ロッテ黒木、決意の5時間トレで始動(ニッカン)

 躓きからの長い長い道のり。
 師と仰ぐ小宮山からの最後通牒。
 今年は、ジョニーにとっては真実の意味で背水の陣で迎える年となるだろう。
 それでも、ジョニーの「魂」が衰えていない限り、それこそがジョニーのジョニーたる所以であることを、近いうちに必ずマウンドで示してくれるに違いないと信じている。

 1998年のマリーンズ17連敗とその後を、黒木を中心に、彼の半生を交えて綴ったドキュメンタリー「マウンドの記憶 黒木知宏、17連敗の向こう側へ」(平山譲/毎日コミュニケーションズ)のあとがきに、こんな言葉がある。

 私は、あるチームの敗因を剔抉することにも、ある花形選手の伝記をおこすことにも、いささかの興味もなかった。私が望んだのは、一人の敗者が、躓き、(一語略)踞りながらもなお、傷まみれの記憶をひいて嶮路を歩みゆくその過程を浮彫にすることであった。

 この書に記された、決して特別な存在ではないひとりの人間はしかし、自分を支えてくれる人たちに何かを返すことのできる自分であり続けたいという強い意志のもとに、どんな躓きにも、たとえ一度は倒れて涙を流したとしても、どれほど不様であろうとも立ち上がって歩き続けようとしていた。

 そして著者はあとがきを、以下の言葉で締めくくった。

 黒木知宏の戦いは、続いている。

 彼は、それから4年以上を経た今も、まだ戦い続けている。