社会不適応者の箱庭。

ハイったり鬱ったりしながら生きているイキモノ・五十海(いかり・♀)の適当な日々を綴った『どうでも』なシロモノ。

04月07日。知人の死に…。

2008-04-07 | 日常
 今日、専門学校時代の知人の死を知った。
 しかも2年以上経って。
 癌だった。
 彼は奥さんを残して死んだ。

 彼は専門学校時代、時折賞を取ったりして、同じ科に属していた自分からしたら幾層も上の人間で、着眼点や色彩能力、発想やら何やら一切合財が悔しいやら羨ましいやら、ごちゃ混ぜの感情をもたらしてくれる人だった。
 同じ科で同じクラスだったこともある。
 そんな人が一角のデザイナーとなり、幾つもの作品を残して死んだ。
 それは学生時代の絵柄とは違う、落ち着いていて、こちらを真っ直ぐ見つめるような、無駄を省いた少女の絵ばかりで。
 無駄を省いたからこそ見える、少女が持つ温かみやメッセージ。
 彼の奥様の思ったことばかり、絵にしていたらしい。
 はっきり言って、羨ましい。
 きっと彼は包み込むように、その思いを絵に出来ていたんだろうと思う。
 今の自分に、その何十過分の一でも可能性があるとしたら、それは生きていることでしかないとすら思える。
 凡夫故の生。
 才能の為に行き急いだ彼とは違う、その形。
 独り善がりだとは思うけれど。

 母親の死に、死を身近に感じたはずなのに、自分達の年齢で死ぬとは思っていなかったあたりがお笑い種だ。
 死は誰にでも平等に訪れる数少ないものの一つだというのに。
 

 彼が幸せを残して死んでいった事を祈る。
   遠い昔のクラスメイトより。