炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

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「 旧石器ねつ造 」から6年に思う

2006-11-20 | 人災社会学!


 2000年11月5日、宮城県の東北旧石器文化研究所の藤村新一氏による、旧石器の捏造発覚から、6年がたちました。捏造を生み出した背景を考えます。

 「 ねつ造 」発覚の数年前、私は、ある県の考古学協会の遺跡調査発表会で、藤村新一氏を見かけました。遺物の展示コーナーで、彼はどこかの発掘担当者と、次のような会話をしていました。 
発掘担当者:「藤村さ~ん、うちの方にもいらして、“石器”を出してくださいよ! なに、発掘の費用は、こちらで出しますから、是非お願いしますよ~!・・・」と、お誘いしています。
藤村:「いやー、こちらは調査報告会で、鋭い質問がたくさん飛び出しますから、どうも厳しくてねぇ・・・」

 私は、この会話を傍らで聞いて、意味がよく分かりませんでした。「石器を出してください。」と言う意味が理解出来ず、カタワラ痛いものがありました。10万~20万年前の極めて希薄な密度で地中に埋まっているかいないかの“石器”を藤村新一氏一人だけが、見つけ出せるとは、私たち無学な凡人の知る処ではありませんでした。専門の発掘に携わる人のみが知る事実だったのです。この点、“旧石器報道”のありかた、いい加減さが怪しく光るように思います。

 こうした世にも珍しい“石器”が発見された場合、報道は、「いつ、どこで、誰が、どのように」遺物を見つけ出したのか、発見直後の拡大写真を掲載した上で、詳細に報ずるべきでしょう。さらに、その“石器”が、周辺地域の石器の様式と矛盾しないかどうか。発見された“石器”の石質が、その地方の材質と矛盾しないか。発見された地層は、火山の爆風吹きすさむ人間が存在しえない場所であったり、石器が摩滅してしまうはずの当時の川の中であったりしないかどうかなど、少なくとも発掘の情況を批判的に考察して、読者に伝えてほしいものです。

 今、改めて旧石器時代の発掘を顧みるに、いぶかしい遺物は、「岩宿ゼロ文化」、長崎県福井洞穴第15層など、藤村氏の関与しない古い発掘にも、少なからず存在し、発掘報告書さえ出ていません。これらの発掘には、藤村新一氏のバックボーンであった、元東北大学の芹沢長介大先生が関わっていました。大学の考古学専門の教授が、こうしたウソ偽りを見抜けないはずが、なかろうと言うのが、不思議でなりません。日本の大学では、目上の先生がたとえ間違った事を述べていても、目下の人はそれを口にさえ出来ない風潮があることを、ノーベル物理学賞の小柴昌俊先生も指摘されています。

 芹沢長介大先生の発掘した遺跡への検証は、いまだ浅くはかないものがあります。芹沢長介大先生は、人間国宝として華やかな話題に包まれた御父上、けい介のように、一時は、マスコミの注目と喝采を浴び、さぞかし嬉しかったのだろうか....と思ふ、軽薄な「ねつ造」から六年めの秋風です。  
古人云く、「邪の路は蛇、類は供を呼ぶ」とぞ.

・ 芹沢長介関連の新聞記事 毎日-msn インタラクティブ
> 日本考古学協会総会:
◇珪岩製石器の検証を約束--東北大グループ 旧石器研究に関連する発表では、3月に急死した芹沢長介氏が前期旧石器だと提唱してきた「珪岩(けいがん)(チャート)製石器」の検証を求める声が会場から上がった。芹沢氏は東北大の柳田俊雄、阿子島香両教授らとともに群馬県桐生市の鶴ケ谷東遺跡を発掘。多数出土した...
2006年06月07日(水) 0時00分< www.mainichi-msn.co.jp 内


・追記

 そういえば、うちの地域も特定の遺跡の、和同開珎の作られる以前の地層から複数、それが発掘されるんです。こっちの方が、捏創の元祖では....?

・拙ブログ 関連記事 ・ 貞観十一年の三陸巨大津波
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珍人
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6 コメント

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アカデミアの体質変革 (o_sole_mio)
2006-11-23 00:57:02
U-2さん、いつもコメントありがとうございます。

藤村氏の旧石器時代に関する「発見」は本当に歴史を変えていたのですね。しかし周囲はそれを薄々知っていていたのにも関わらず、話題づくりのために言外に要望していた構図を想像してしまいました。

またご指摘の検証の杜撰さとその背後にある権威主義はどこのアカデミアにもありそうな話ですね。アカデミアの古い体質脱却が切望されます。
昔の軍隊みたいですね。 (YUJI (もうすぐYUZOU=U-3))
2006-11-23 22:54:21
oーさん、こちらこそです(^^)。
ご指摘のとおり、土田舎では「日本最古の・・」とか、「・・発祥の地」いうのが、ステータスシンボルになるものと思っています。また、ともすれば工事費の水増しによる、キックバックで、裏金を溜め込むのも地方役所の常。

 元祖、「歴史の書き変え」は、人間国宝の御子息による、岩宿ゼロ文化の「発見」あたりが、ルーツと思います。邪の道は蛇、ちょうどバブルに差し掛かった頃、そのうだつが上がらなかった「御子息」に近づいたのが、東北電力系社員の「神の手」氏で、ほとんど「助手的役割」を果たしました。日本独特の封建的体質が、彼らの暴走を許したと思います。奇しくも、原子力発電所の建設の時期とかさなります。
拙ブログへのコメントありがとうございます (ssline0640)
2006-12-01 21:09:29
U2さんへ
貴ブログを拝見させていただきました。美しい写真と多岐にわたる濃い内容に感じ入るものがあります。
私のブログに指摘されんとしたは一連の記事で納得できました。科学界(自然・社会問わず)には科学者集団の厳然たるヒエラルキーが重層的に存在します。学会、研究会、大学等の組織(学部学科)、指導者派閥…。そこには一種の、文字どおりの政治闘争らしき現象もあります。「絶対に大丈夫」といった言説が、どこへ向けて語られているか、「何かの対価・反対給付」があるのではないか…。あまり考えたくありませんが、U2さんの視線の方向性は理解できました。
なお、商業主義の科学的文言使用の受容はさておき、高度化し不可視化の進む科学技術が、私たちの生活感覚、身の丈感覚と互いに接近する可能性はあるか、そのような領域の創造はありうるのか、私の関心はそこにあります。快適になる一方のインターフェイス。科学的知などなくても誰でも使える携帯電話。科学者が仮に説明責任を果たそうと必死に語りはじめても、聞く=買う=見るサイドに、聞こう=買おう=見ようとする姿勢がなくば「売買」は成立しないと考えます。ありがとうございました。
sslineさんようこそ。 (U-2改めU-3です。よろしく(^^)。)
2006-12-04 23:45:30
 こちらこそありがとうございます。お返事遅れまして申し訳御座いません。最近、コメントの表示を切り替えたばかりで気がつきませんでした。お詫び申し上げます。

>科学界(自然・社会問わず)には科学者集団の厳然たるヒエラルキーが重層的に存在します。学会、研究会、大学等の組織(学部学科)、指導者派閥…。そこには一種の、文字どおりの政治闘争らしき現象もあります。

 はぁ、日本の学会というのは、ひどく古風ですね。昔の軍隊とみたいです。能力なしでもでも、階級が高いと、威張り散らして、自軍を破滅へと向かわせます。こと、原子力発電などにこのような輩が、加わわるとたいへんですよね(^^;
 ブログをあちこち巡りますが、確かに大学の先生と称して、愚かしいことを述べているのも多々見かけます。そんな三流の処に所属してしまうと、学生も職員も卒業生も、軍隊に入ったも同じようなものでしょうね。「裸の王様」を崇めねばなりません。

 論文なども読みますが、一流の学者は、実に分かり易い表現で、明快に書いていますが、大概の三流以下のは、希薄な内容をくど苦土と、たどたどしい表現で書きます。必死に書いたのでしょうが、日本語に成っていないというか、文章に成っていない悲惨なのを見かけます。

インターネットの世界は自由で、学生が先生に優、良、可、不可の評価をしているページも見かけます。
藤村氏と一緒に発掘 (chage_a)
2006-12-14 19:43:55
先日はカキコみありがとうございます。

今係わっている遺跡の発掘担当者に
『捏造って言葉も有名になりましたよねぇ』
と言いましたら、その当時問題になった現場で
一緒に仕事されたいたとのこと。

会ったことがあるという方は結構いますが、
その現場にいたと言う方はなかなかいませんから、
貴重な方ですわねぇ。

なんでも現場では全然見抜けなかったとのこと。
あとで考えるとお昼休み直前に来られて、午後一で
すぐに出たそうです。

ふむふむ。・・・神の手氏のバックにもいろいろあったのですねぇ。
バック? (U-3)
2006-12-14 23:22:45
chageさん、ようこそ(^o^)~。
>今係わっている遺跡の発掘担当者に・・・

えっ?chageさんは、考古学関係者でいらっしゃいましたか!これはこれは^^。
 うちの恩人で江戸時代から代々、居酒屋(時代劇の飯屋)を営む、東京の老舗の当主が、「酒を飲んで豹変するのとは付き合うな。」というのが家訓だと教えて下さいました。代々、暖簾を守れたのも、家訓の賜物との事です。

 「神の手氏のバック」ですが、これを知られたくなかったのでは?http://web.bureau.tohoku.ac.jp/manabi/manabi16/mm16-45.html東北大学の理科系は優秀な先生方が、数多いらっしゃいます。「神様」がいなくなり、やっと、発言出来るようになったのかも知れませんね。
 このクラスの地震(http://www.pgc.nrcan.gc.ca/press/images/2003JB002521-animation.gif)が、何かに差し障りがあるのでしょうか。向こうの「沈み込み帯」では、全て解体撤去済みとの事です。http://www.nrc.gov/info-finder/reactor/

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