先日、小林毅さんが亡くなりました。衝撃でした。
小林さんは、インタープリテーション界の第一人者で、前職でだいぶお世話になりました。
研修会で、講師としてコバさんをお呼びして、進行役をつとめさせてもらったこともありました。
野生生物のプロで、生き物の知識や技術はそれはそれはすごいものでした。
とは言っても、それを私が感じる機会は今考えればあまりにも少なかったように思います。
まだ、55歳。早すぎて、もう早すぎて。
先週の日曜日、告別式に参列させてもらいました。
都合で参列したくてもできなかった方も多かったと思いますので、少し書かせてもらいます。
先に、全ては私の目を通した主観であることを、断らせてもらいます。
フェイスブックで訃報を知り、コバさんを偲ぶグループに参加させてもらって、
コバさんを慕うたくさんの人たちの投稿を読みましたが、コバさんが亡くなったなんて信じられない気持ちで何の言葉も出ませんでした。
そんな気持ちで告別式に参列することを決め、こどもたちを友人に預けて上野原へ向かいました。
会場に近づくと、「小林家式場」と書かれた看板が出ていて、それも夢みたいで不思議な感覚でした。
会場の駐車場に車を停めて、受付まで歩く間、右足を出したらいいのか左足を出したらいいのか、
どう歩いたらいいのかわからなくて、ずっと着いてほしくないようなそんな気持ちでした。
受付を済ませるとすでに告別式は始まっていて、会場の外まで人があふれていました。
後から聞いた話によると、200人~300人は少なくともいらっしゃったようです。
遺影は、オレンジのアウトドアジャケットを着ている写真で、それはいつものコバさんで、
コバさん、なんでそんなところに収まっちゃってるの?という感じでした。
お焼香はあっという間で、その後のお経を聞きながら、ようやく本当にコバさんは亡くなったのかもしれないと感じ始めました。
最後のお別れでお花を棺に入れる時になって、ようやくコバさんに会えました。
棺の中のコバさんは本当に安らかに眠っていて、また明日になったら元気に森にでかけていきそうな感じで、
私には、顔のまわりをおおう無数の花が不自然なくらいに見えました。
出棺になって、棺を古瀬さんや川嶋さんや中西さんが霊柩車に乗せました。
奥さまが「こんな天気のいい日はいつも山に登っていました。青空を見たら故人を思い出して下さい」とご挨拶されました。
その前からなんとなく空を見ることが多くて、なんとなくコバさんは空にいるような気がしていたので、スッと心に入る言葉でした。
霊柩車が動き出す時、パァーーーーーーーーーーーンとあの音が聞こえて、全身が震えました。
「コバさん、ありがとう!」と何人かの方が叫んで、その声や音が空に響いて、コバさんが行ってしまいました。
私はやはり声を出すことができませんでした。
古瀬さんは静かに佇んで遠くを見ていて、川嶋さんはなんだか怒っているように見えました。何で死んじゃうかなって。
中西さんは会場の係の人のように動いていましたが、いつも泣いているようでした。
まゆみぃやゆうきやCESの皆さんは、泣いている姿をほとんど見ることがなくて、動きすぎだよって思うくらいテキパキ働いていて、
近しすぎて悲しすぎて逆にそうなってしまっているように見えました。
でも、皆さんの後ろ姿は、一回り小さくなってしまったようでコバさんの大きさを感じました。
告別式が終わっても、みんなずっと話し続けていました。
愛ちゃんやのりのりやまいまいやてら、がんちゃんとコバさんの思い出話なんかをして、笑って泣きました。
古瀬さん、川嶋さん、中西さん、染川さんや若さん、千賀子さんとは、数行の言葉を交わすのが精一杯でした。
もう何年も前、一緒に森を歩いている時に、「オレ、この樹がどうやって生きてきたかわかるんだ」と言っていたのを思い出します。
樹を見ただけで樹の人生を見れてしまうような人でした。
コバさん、私もっともっとお話したかったですよ。でも、雲の上の人のような感じで、いつも近くにいくと緊張してしまっていたんです。
気付いていたでしょうけど。
「女は28歳が1番キレイだと思わない?」とか言ってましたよね。
その頃にもらったお土産のピアス、棺に入れるか迷って式の間中ずっと手に持っていたんですけど、
「何で返すわけ?」ってコバさんに怒られそうだからやめました。大事にします。TOPの写真はそのピアスです。覚えてますか?
私が28歳を過ぎると、もっと若い子にピアスのお土産もっていってましたね。知ってますよ。
コバさん、告別式で、ママになったIPたちで何かしようって話になったんですよ。
見ててくださいね。コバさんも知らないママから見たIPを新しく作っていけそうですから。
休んでる暇ないですよ。みんなコバさんをきっかけにまた新しいこと初めちゃいますからね。
でも、今度は布団の上で寝てくださいね。布団まで辿りつけないとか言って床で寝ちゃわないようにしてくださいよ。
コバさん、また会いたいです。
いつかそっちに行くまで、そっちの世界を研究して、また教えて下さい。
コバさんに会えてよかった。
ありがとうございました。また会う日まで。