性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

【構造木組み経年美=リノベにしかない魅力価値】

2019年06月11日 06時21分50秒 | Weblog
写真は先日見学したリノベの「モデルハウス」。
山形県米沢市の「アジリノベース」です。
新築でのモデルハウスというのはふつうにあるけれど、
リノベでは、なかなかないと思います。
古い家を現代的な「使い勝手のいい家」に改装するだけであれば、
そのモデルとしてのコンセプトは新築住宅と変わらない。
フルリフォームであっても展示内容にはあまり個性はない。
リノベであることが明確であるモデルハウスというのは、
なかなか表現が難しいのではないか、と思っていました。

その悩みどころの末に行き着いたのがこのモデルハウスでの手法。
写真に見えているのは、屋根の架構を支える木組みを
既存では天井板で見せないように仕上げていたものを
その天井板を取り外し、構造素地を露わにした。
そうするとこの建物は築40年ということなので、
それほど日射で褪色していない木肌がそのままの経年ぶりであらわれた。
コントラストを強調するように背景の壁や天井は
プラスターボード張り+塗装としてシンプルに白く仕上げた。
40年間、屋根雪の重みに耐えるべく、複雑に組み上げられた木組みは
左右幅が2間と短いので中間に柱がなく、
ところどころに火打ち梁が補強的に加えられている。
モデルハウスの作り手側からすると、
この木組みの力感、40年この建物を支えてきた価値感を
そのままユーザーに「デザインと構造美」として伝える仕掛け。
もっといえば、リノベであることの価値感とは
新築住宅の価値感とは自ずと異なり、
そういった経年ぶりをむしろ「価値」としてわからせることが
必要だということを感じさせられる。

新築時には白木の美しさが壁やボードで塞がれていたけれど、
建築側がユーザーに訴求する「経年美」として
白木からのくすんだ褪色ぶりにこそ価値を見出したということ。
こういう価値転換を仕掛けて提案している側が、
むしろまったくの建築のニューウェーブ・30代の作り手であり、
さらにそれに共感を持つ世代もそういう世代だという。
・・・しかしわたしのような年代でも十分に好感を持てました(笑)。
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