性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

【破風の厚みに見る地域特有のデザイン感覚】

2019年07月22日 06時05分13秒 | Weblog


写真は北海道の伝説的な住宅設計者の倉本龍彦さん(上)と
今回見学して来た里山住宅博つくばの堀部安嗣さん(下)の破風外観。
わたしは当然、北海道の住宅取材の経験が長いのですが、
本州地域の設計者には、この破風を
なるべく軽快にみせたい、薄く仕上げたいというケースが多いと感じます。
北海道の設計者では、そういうこだわりよりも
住宅の安全性重視でより「重厚な」破風をデザインするケースが多い。
北海道の設計者、なかでも倉本龍彦さんは「和風」を意識した作風でありながら、
この写真のように、やや重い雰囲気を作っているケースが圧倒的。
印象としては、ゴチック文字と明朝文字のようなデザイン表現の違いを感じる。
北海道はシャープさというようには容易には志向しないけど、
本州地域では、できればそうしたいみたいな部分を感じる。

北海道の設計者でも、和風という伝統デザインを重視したいひとは多いだろう。
しかしそういう人たちの実作では、あまり破風の厚みを気にせず、
重厚で性能防御的な仕上げに対してこだわりを持っていないのは、
やはりそれだけ、いろいろな気候条件に対しての配慮なのでしょう。
単純に積雪荷重への配慮、断熱厚みの確保からの必然性など、
いくつもの「要因」がそこにはあり、本州ではキャンセルもできるということかと。
しかしこのことは、表面的なデザイン感覚を競うような場合には
マイナス的に働くことは否めないのだろうと思う。
軽快感対彫りの深さ感という違いを同じモノサシで比べているみたいな。
なによりそうしたデザインコンテストの選者自体が、
本州以南的な常識感覚を持っている場合が多いので、
より市場性の広い感覚を中心に選んでしまうケースが多いのだろうと。
で、北海道独自の高断熱高気密、きびしい気候条件対応のなかでの
住宅デザインは、もうちょっと違った価値観であるべきだと感じて
わたしは、北海道スタイル的な住宅デザインの市場的進化を
表現するような動きを積極的に取り上げてきたように思います。
デザインもまた、より大きな地域性を表すのではないかと。

ということでわたし的には、この破風の厚みというのには
それほどデザイン性を強く感じない環境で仕事してきたのですが、
さてこのように比較して、みなさんはどのように思われるのか、
かねがね、知りたいなと思ってきたところです。
いかがでしょうか?
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