性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

【架橋ポリだけでの暖房システム】

2018年07月23日 06時13分35秒 | Weblog
写真は「きた住まいる南幌」の山本亜耕+アシスト企画の家、
床下空間を点検口から見下ろした写真です。

この南幌の家々では、概してこういう暖房「設備」仕様がみられる。
というか、ある時期から輻射暖房パネルが省略されて
この架橋ポリ管内部を温水循環させて、そのパイプ配線だけで
この場合だと「床下空間加温装置」として機能させるケースが増えてきた。
わたし的にはたぶん、北海道の設計者・宮島豊さんから
こういったきわめて省略した設備仕様のケースを10年以上前くらいに
見せられて、ほお、と思っていた記憶があります。
「これでいいの?」
「うんまぁ、これでいいんですよ」
というような了解対話だったように思います。
それ以来、わたし自身は建築工事の専門家ではないので、
このことを既知のこととして受け入れてきていますが、
今回の南幌の家々では、ほぼすべての住宅でこういった「仕様」が
採用されているように思います。
北海道の作り手たちに特徴的な傾向としての
よりローテク方向への合理主義、過酷なコストと性能検証の結果、
輻射パネルはキャンセルされるケースが増えているように思う。
極端なケースでは、こうした架橋ポリ配管だけで、
それを集中させれば「暖房器」というな認識もあるように感じる。
この写真のケースでは、画面上が基礎立ち上がり外周ですが、
熱的にはこの外周側の土間床コンクリートに対して
この架橋ポリから熱移動していって、効率的に土間空間の熱上昇を
企図していて、その効果は実証されてきている。
今回のケースでは北大・菊田准教授関与のケースでも
こういった手法がごく自然に活用されていました。
どちらかというと、本州以南地域ではエアコンの暖冷房が増え、
北海道ではさすがにエアコンよりも、
こういった温水循環方式のよりローテク、ローコスト化が志向されている、
そんな風な取材での印象を持ってきています。

きのうは秋田での講演発表。
まぁいろいろ予期せぬ事態だったのですが、わたし的には
西方里見さんにわたしの発表を聞いていただき、
「今度、三木さん、このテーマで徹底的に飲んで話し合いましょ(笑)」
という秋田人らしい提案を受けておりました。
秋田の人が「徹底的」という表現をするレベルはハンパない恐怖(笑)。
でもまぁ、いまのわたしの興味テーマでの同行の士発掘の旅でした。
今後とも「住宅はどう進化してきたか」
という巨大テーマで多くの知見を共有しつつ、地道に探究したいと
そんな決意を強く持った次第です。
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