写真は山形県庄内地方での住宅リフォームの前後写真。
左がbeforeで、右側がafterです。
この家のリフォームの大きな目的は、性能の向上と床面積のアップ。
いわゆる2世帯同居のために2階を増築したのです。
元の家は、まったく断熱材が入っていない住宅で
日本海からの季節風がきびしい冬場には
すきま風も容赦なく吹き込み、想像を絶する寒さの家だったそうです。
あまりの寒さから、見よう見まねでご主人がグラスウールを
自分でも入れてみたというほどでした。効果は?でしたが。
断熱工事は、住みながら改修するため、1階は外側から外張り断熱、
増築が絡んでいる2階は充填断熱という作戦で行われました。
ポイントになったのは、ごらんの屋根の形。
新築は建て方が終わってから屋根がかかりますが、
リフォームの場合は住みながらの工事の場合も多いので
まずはじめに、屋根を急いで作り上げる必要があります。
まずは雨から生活を守らなければならないのです。
そして、性能をしっかり考えたら
屋根の形状は、限りなくシンプルなものにする必要があります。
というより、左側のような屋根形状のままでは、断熱層・気密層の
「連続」を確保することは、ほぼ不可能に近く
「すきま風」が吹き込む結果になるのです。
この家では、以前の複雑きわまりない寄せ棟屋根から、
デザイン的にもたいへんすっきりとした切り妻に変化させています。
こうすることで、断熱気密の連続がしっかり確保され、
耐久性に関わる、通気層も十分機能するようになっています。
性能をしっかり考えていけば、おのずと
デザインもすっきりとしてくる。わかりやすい実例だと思われた住宅でした。