性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

煉瓦

2006年02月20日 06時13分43秒 | Weblog

建てられて40年経過している札幌在住の建築家
上遠野徹邸を訪れました。
ことしで82歳ですが、たいへんお元気な先生から直接ご案内いただきました。
建築への思いや若い世代への言葉など
貴重な時間を過ごさせていただきました。

40年前の建築でありながら、いまも美しいままのたたずまい。
わたしも煉瓦への思い入れがあり、
先生のお話から、主体構造のスチールフレームにはめ込まれた
煉瓦に強い印象を持ちました。
写真右側がその煉瓦の表情です。
この煉瓦は、いわば当時のハネ品。不揃いで一般には使われない煉瓦だったそうです。
当時は、火力としてまだ石炭が使われており、
石油バーナーのような均一で安定した高温環境ではなく
できあがった煉瓦も、それこそひとつひとつ違った味わいがあります。
窯変したような艶が出ているモノや、逆に艶消しのくすんだヤツなど千変万化。
こうしたいろいろな表情を持った煉瓦が
表面だけ錆びたスチールの構造と相まって
何とも表現しようのない、美しさのハーモニーを見せています。
ほとんど一枚ずつ手焼きしたような煉瓦が
しかし密集して面を形作ると、統一感のある風合いに収まっています。

わたしも煉瓦が好きで、自宅のブロックの外皮に一部使用しました。
北海道に生まれ育ったものにとって
赤煉瓦庁舎とか、煉瓦のサイロなど
たまらない郷愁が、やっぱり感じられるのですね。
まさに奥行きのある煉瓦の壁から、
たくさんのインスピレーションを受けた次第です。
チョー過密日程で駆け足で北海道住宅を視察してもらった
東北の建築家のみなさんにも、最後にゆったり
北海道らしさに満ちた空間を満喫していただけたと思います。
いい空間体験ができました。 ありがとうございました。
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