性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

【帰りたくなる家。帰巣本能刺激という性能条件】

2019年08月11日 06時27分06秒 | Weblog
人間性のごく基底的な感性領域に「帰巣本能」がある。
なぜかWikipediaにはこの項目がない。で、アンサイクロペディアによると
〜帰巣本能(きそうほんのう)とは、生まれた場所や過去に過ごした場所へと
戻ろうとする本能的行動。
人間の帰巣本能は雌雄で大きく異なり、基本的には男性の方が強い傾向にある。
また年代によっても左右され、十代半ば以降で強まるが六十代以降は
弱体化するとされている。ただしこれはあくまで帰巣衝動の弱体化であり、
機能自体はほぼ残るという説もある。〜
というように書かれている。
住宅ということを主要テーマにして生きてきた心理の奥底に
この「帰巣本能」ということが根深くあるのではないかと思っている。
人間は帰巣することで、さまざまな社会ストレスを癒して生き延びてきた。
住宅の最深の意味合いは、そこにしかないでしょう。

で、とくに住宅の外観について考えるとき、
いつもこの「帰巣本能」という無意識の「基準」を考えている気がする。
やっぱり住宅は「帰ってきたいなぁ」というメンタルへの訴求「性能」がほしい。
どんなにモダンデザインの住宅であっても
この基準自体は変わらないと思う。
この「帰りたくなる」ということのデザイン的な追求の仕方は
それこそ千差万別なのだろう。
人間の生きた数だけ「帰りたくなる」心理には多様性があるのかも。
しかし例示した写真は最近何度か紹介している
オホーツクの遺跡住居ですが、こうした自然のなかの
単純な幾何形体がそのたたずまいだけで存在感が強く際だっていた。
はじめて来ているのに「よく帰ってきたな」というメッセージが
わたしの感覚ではまことに強く感じられた。
また、去るときにも「またいつか帰って来いよ」と言われたと感じた。
そういう意味で、人類のDNAに刷り込まれたような「コード」が
あるようにも思えてならない。
家の「既視体験」的な部分に、そういうヒントが隠されているのでは。

お盆休暇のまっ盛り。
帰省ラッシュということで、各地から高速道路の渋滞情報。
こういう集団的帰巣本能って、やはり人間の基本的文化なのでしょう。
家のそういうメンタル的性能、奥が深いけれど探究したいですね。
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