性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

明治45年の洋風建築 旧室蘭駅舎

2016年04月21日 05時22分05秒 | Weblog


室蘭にはよく行くけれど、一度もきちんと建物を見た経験がない。
どうもそんな後ろめたさが募ってくる、前期高齢化寸前のきょうこの頃(笑)
休日となると、こういった古建築を巡り歩きます。
この建物、いろいろな紹介文はおおむねこんな感じ。

旧室蘭駅舎は明治45年に建造され、北海道内の駅舎の中では
最古の木造建築物です。建築様式は、寄せ棟造りで、
明治の洋風建築の面影を残す屋根や白壁づくりの外観、
外回りは入母屋風で「がんぎ」と呼ばれるアーケード様式となっており、
全国でも珍しい建築物となっています。
平成11年7月には、「国の登録有形文化財」に登録され、
平成22年10月には、JR北海道の「準鉄道記念物」に指定されました。

で、外観で見ると石造りかと見まごうような重厚感のあるデザイン。
なんですが、2枚目の写真を見ておわかりのように、
内部には柱が1本も立っていない、がらんどうであります。
外部にあった「由緒書き」には、「時計台と同様の・・・」云々とありましたが、
推測するに、これはツーバイフォーの原型とされた
バルーンフレーム工法で建てられているのではないかと思われました。
札幌時計台も、内部は大きなホールになっていて、構成は「同様」。
巨大な屋根はトラスだろうと思われるのですが、
その木組みは残念ながら天井が張られているので見られません。
しかし時計台をはるかに凌駕する内部の大きさなので、
この時代の北海道の建築としては、時計台以上の資料価値があると思います。
一見すると2階建てに見えるけれど、
大きな「平屋建築」であり、外部に「雁木」的に回された
回廊装置は、構造とは無関係のものだろうと思います。
大きな寄せ棟屋根とドーマー窓、石の煙突などで、やさしい印象を与えてくれる。
スケールは大きいけれど、なにかしら住宅風の風情が感じられます。
木造建築の味わいが、多少のバタ臭さはあるけれど、
それもまた、いかにも明治を感じさせてくれて楽しい。

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真横から外観を見ると、2階にみえる位置の窓が
どうも水平ラインに破綻が見られる。
さすがに103年の時間の風雪感がありますが、
そういうのも、正直に古びている様子と受け止められる。
こういった明治の建築って、考えてみれば
日本の歴史の中では、京都の造営に先立つ奈良の古建築群が
現代と明治末期のあいだ同様に、おおむねこれくらい
100年の間隔があったのだと思います。
工法やデザインの違いを、かの時代の人たちも
そのように認識もしたのでしょうか。
いろんな想念を惹起させてくれる建物でした。




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