性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

【世界的にも「断熱コスパ」がいい北海道】

2019年07月17日 06時24分46秒 | Weblog
きのうは北海道が推進する住宅施策「北方型住宅」についての諮問会議。
歴史的に北海道では「より暖かい家」を希求する活動を継続してきた。
開拓の初期から、主に官の側の切実な要請〜対ロシアの南下政策に対しての
国土防衛意識というものから、なんとか日本人の移民を増やしたい、
そういった国家意志に強く押され、住宅施策がキモになってきた。
全国の地域自治体で独自の「住宅施策」を持っているのは
北海道しか存在しないけれど、その根っこにはこういう国家意志伝統がある。
そういうことから、北海道では産官学挙げて住宅の性能要件について
共通の技術・情報交流プラットホームが存在し続けている。
当然、北海道の住宅の特質というものを考える機会が多い。
で、最近強く感じているのが、断熱のコストが素材から技能レベルまで
一貫した「ライン」として北海道は廉価に収まっていること。

これは本州地域のみなさんとの情報交流でよく言われる。
よく樹脂サッシとアルミサッシのことが話題になっていた。
北海道では事実上、戸建て住宅では100%に近く樹脂サッシや木製サッシが
市場流通の主役なので、アルミサッシの出る幕がない。
そういう市場環境の結果、アルミよりも高額である樹脂サッシの
コストダウンがどんどんと進んで、アルミサッシよりも価格がこなれていく。
流通量の結果として、アルミ並みの価格で流通するようになる。
一方、本州地域では流通量に圧倒的な差があるので、
樹脂サッシの価格がなかなか下がらないというようにいわれる。
断熱材についてもほぼ同様の状況が市場環境になっている。
さらに、断熱についての「工程管理」の部分も当然進化して行くので
「作業」の質と時間コスパがどんどんと加速していく。
したがって「高断熱」ということのコスト的なバリアが低下して
そのコストに対してのメリットが大きく上回ってきて、
北海道の住宅ユーザーは、たいへんコスパのいい市場環境を享受できている。
住宅の「いごこち」品質では冬期の性能向上が顕著で
暖房コスト自体の負担はあるけれども、受益から考えると
驚くほどの「安さ」で暮らしの自由度が高まっている。
寒さからフリーな環境が実現できていることで、
「耐え忍ぶ」という寒冷へのニッポン的意識からもっともかけ離れた
そういう生活意識を獲得できているのだと思います。
寒冷期の生活自由度はむしろ全国一であるかもしれない。
物理的には積雪という克服しなければならないバリアは存在するけれど、
寒さからは、自由でコスパのいい環境が実現できている。
そういう意味ではユーザーとしては寒冷や積雪という環境を
むしろ前向きに楽しむ、そういうことが可能になっているのかも知れない。
こういうことは、新たな「移住」を促進させていくきっかけを
環境整備して行くことかも知れない。
ニセコ地域が世界有数のスキーリゾート化してきているのは、
こういう住環境要因がまったく世界標準として整備されていることも
大きな要因であるようにも思われる。
本州地域の宿泊施設や施設環境が低断熱低気密であるのに対して
冬期の北海道ではそういうバリアの存在がより小さく感じられる。
観光のリピーターたちが多い現実を見れば、
寒冷期の北海道の住環境のいごこちの良さは証明されているのかも。

むしろ、こういったメリットを獲得してきた百数十年の
新たな「歴史的伝統」にもっと気付きを持ち、
そのことを戦略的に活用していくことを考えていくべきなのかも知れない。
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