性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

RC外断熱の威力

2011年06月14日 07時09分07秒 | Weblog





写真は、先日のアース21旭川例会の様子。
会場は北総研の会議場です。
この会議場は本体構造とはやや違って、
ここだけがRC造で、円形の壁で囲まれた空間になっています。
断熱も、外側でぐるっと回される外断熱です。
外断熱というのは、構造が蓄熱性を持った素材、
石系のコンクリートとか、コンクリートブロックなどを使って建てられた建物を
外側から断熱する工法であって、
木造には、適用されない概念です。
建築的には確立された工法であって、その内部環境の一定性、安定性は
非常に高いレベルのものがある。
ただし、ややお金がかかるということなんですね。
北総研にこういう空間があるというのは、これもなにかの意味を持って
作られているのでしょうが、
大人数の集会などで、人間の発熱などがあっても、
温度環境は、ほとんど左右されることがない。
この日は、旭川は最高気温が28度という高温。
なんですが、この中では背広を着用しなければならないくらいのやや涼しい気温。
日頃は木造の高性能化を考え続けているみなさんですが、
いっとき、この工法の安定性に浸っておりました。

北海道では、この外断熱工法について、
既存マンションの改修に応用して、国の「長期優良住宅先導的事業」に応募し、
昨年度で2棟のマンションが改修完了いたしました。
総事業費の1/3が補助されるということで、
こうした外断熱改修の一般への普及にはたいへん有効な事業だと思います。
全国の多くのマンションで外壁の改修などは日常的に発生していますが、
その時点で断熱も行われることになれば、
その省エネ性の向上は大変有意義だと思います。
北海道での既存マンション外断熱改修では、工事後、
そのマンションの資産価格が上がったということであり、
社会的な問題、賃貸に変わっていくことでの諸問題にも有効性がある。
ことしも長期優良先導事業への応募が予定されていますが、
今後、さらに地域的な広がりが大いに期待されるところだと考えています。
コメント
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