性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

日本家屋の建具の美

2009年07月27日 05時48分52秒 | Weblog



写真は北海道西岸・増毛の「本間家住宅」。
何回か訪れていますが、
本邸の方のこの廊下の様子がなぜか好きで、写真を何枚か撮ります。
なぜなんだろうか、と考えて気付いたのですが、
やはりこれは建具の美しさに惹かれていると思い至りました。
日本の家はさまざまな建具がそのインテリアの基本。
とくに欧米の家が防御的な「壁」の建築であって、
開口部は、それこそ「空気を取り入れる」窓、という明確な目的的存在であるのに、
日本の窓は、それこそ柱と柱の間の広大な開口部なのですね。
それも至る所に開きまくっている。
そういう建築構造になっている。
壁を重視しない構造になっている、ということが大きいのでしょうね。
しかし、そのままでは空気の遮断とか、
生活上では不具合も発生してくる。
そこで発達したのが「建具」ということなのでしょう。
で、障子に代表される格子模様が日本的インテリアの基本。
この写真の廊下空間は、ほぼすべてが建具で構成されている空間なんですね。
そういうことから、なぜか惹かれる空間性を持っている。
正面奥の「葦障子」は、夏場だけ使用するそうですが、
こちら側の視線の変化に対応して、見え方が変化する。
細かい葦の枝で組み合わされているのですが、
よく観察すると、葦が太いのと、細めのとで交互になっています。
そして、もっと言うと、節の位置の微妙な変化で
まるで模様が付いているようになまめかしい光線の変化が感受できる。
一方で右側の葦障子は,タテに組み込んでいます。
こちらのほうは、太めの葦だけで、太さも揃えられている。
本当に奥の深い建具の世界であります。

左側の障子たちは、中庭からの光を内部に引き込んでいる。
その光が、右の障子を通して居室に導入される。
断熱的には、紙が2枚だけという構成になる。
もっとも、この家では中庭のほうにはガラス窓が嵌め込まれています。
でもまぁ、日本人って、こういう空間性のまゆに包み込まれてきた。
こういうなかで、規則的な幾何学的な格子模様を
幼少期からインプットされるのが日本人なんですね。
日本人が数学が好きだ、というのもむべなるかな、ですね(笑)。
どうなんでしょう。最近は数学コンクール、
日本のお家芸ではなくなってきているのでしょうかね。
でもこういう空間性って、幾何認識を大いに刺激しそうな気がします。

廊下なんですが、ときどきこうやって
座った目線でたたずんでいると、ずいぶんと心が和んでくるような気がします。
みなさんはいかがでしょうか?



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