性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

住宅の評価ってなんだろう?

2009年07月01日 07時22分49秒 | Weblog



写真は先週、仙台で取材した住宅。
ある建築家の設計した住宅ですが、
この建物は、その構造においてきわめて革新的な工法を採用しています。
日本人は、基本的に森の民族であり
木造住宅への志向性がきわめて高い民族です。
そういう民族の住まいを作るとき、
木造の可能性を追求するというのは、ある意味、
きわめて意義が高いということが出来る。
デザインという意味合いからも、その可能性を高めるには
なんといっても、建築工法の進化が大きな革新をもたらす。
この住宅では、板倉工法という工法を実践しています。
いわゆるログハウスは、同じく木の民族である欧米人の作ったモノですが、
わたしたち日本人も、たっぷりの木の質感に包まれた空間を愛してきた。
この板倉工法は、在来木造に比較して
圧倒的な構造的な強さを実現しています。
構造研究家としての筑波大学・安藤教授の研究成果の賜物なのです。
写真正面左側の壁は、一見、羽目板のようですが、
そうではなく、厚さ3cmほどの板を軸間に「落とし込んで」、
さらにその背面側から木で補強して、強固な「壁面」を実現しているのです。
ツーバイフォー以上の構造強度を実現する日本のオリジナル工法なのですね。
で、この家の設計者の佐々木さんは、
こういう木材量では、在来工法の3倍近い高密度の木造を
さまざまな工夫を積み重ねることで、
一般的に入手可能なレベルの価格で実現させてきています。
自然素材だけを使って、いかに高性能な住宅を実現するか、
こだわりを持って、住宅建築に取り組んできているのですね。

しかし、ことデザインという意味合いでは、
最近の「シンプルモダン」全盛のデザイン感覚の人たちからすると
やたら木質が重厚で、やや鈍重にも見えてくる、
ということから、評価が高いとは言えない。
意味不明なシンプルモダン系の住宅の薄っぺらさが気になるなかでは
まさに正調な、こういう木造構造にも踏み込んだ試みは
一服の清涼剤ではないかと思うのですが、
まぁ、なかなか、理解されにくいのですね。
でも、ディテールの真剣で詳細な検討ぶりなど、
きわめて密度の高い空間だと思えてなりません。





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