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地球温暖化 不信を広げる研究者の姿勢(2月25日付・読売社説)

2010-02-28 14:40:18 | Weblog
地球温暖化 不信を広げる研究者の姿勢(2月25日付・読売社説)

 地球温暖化問題の前提とされてきた科学的な論拠を巡り、
国内外で場外乱戦が起きている。
温暖化の主因は、人類が出した二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスとされてきた。以前から、これに懐疑的な研究者は少なくないが、両者の論争は今や、スキャンダル絡みの様相も呈している。
不信が拡大する中、特に今冬は世界各地で寒さが厳しく豪雪も重なったため、欧米では温暖化それ自体を疑う人さえ増えている。
小沢環境相も、「温暖化の科学的な根拠が揺らげば、国民、産業界の対応も変わってくる」と、懸念を表明した。
世界各地で、土壌乾燥化や氷河の縮小といった気候異変が伝えられている。これにCO2排出がどう影響しているかを解明することが、対策を効果的に進める上では欠かせない。科学界は真正面から取り組む必要がある。

 ことの発端は「ウォーターゲート」事件になぞらえた「クライメート(気候)ゲート」事件だ。
地球温暖化に関する報告書をまとめている国連の委員会「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)で中心的存在とされる英国人研究者の疑惑が指摘された。
昨年11月、この研究者が在籍する大学から大量の電子メールなどが漏洩(ろうえい)し、データをごまかす相談個所が見つかった。温暖化を裏付けるのに都合の悪いデータを隠蔽(いんぺい)したと疑わせる文言もあった。
英国ではメディア報道も過熱しIPCCの見解を信じる人が大幅に減ったという。英議会もデータ隠蔽などの調査に乗り出した。
その騒ぎの最中、地球温暖化対策の基礎となるこの報告書に、科学的根拠の怪しい記述や間違いが指摘された。「ヒマラヤの氷河は2035年までに解けてなくなる可能性が非常に高い」との記述はその例で、根拠がなかった。
IPCCも公式に誤りを認めている。日本人研究者も関与した記述とされるが、詳しい経緯は明らかにされていない。
さらに、IPCC幹部が、温暖化対策で利益を得る企業から多額の資金提供を受けていた疑惑も報じられている。

 国内でも、CO2による温暖化説を疑問視する研究者が、東京大学の刊行物で自説を誹謗(ひぼう)中傷されたとして、東大を東京地裁に訴える事態が生じている。
地球規模の気候変動を正確に把握し予測することは、もともと容易でない。研究者には、冷静な議論が求められる。

(2010年2月25日01時18分 読売新聞)

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