WoodSound~日綴記

山のこと、川のこと、森のこと、その他自然に関することをはじめ、森の音が日々の思いを綴ってみたいと思います

フラクタルという概念

2006-10-20 | Diary
最近、よく聞くようになってきたフラクタルという言葉。
いわば入れ子細工のように、
小さなパターンが寄り集まって大きなパターンを作っていくということ。
自己相似構造という概念で、ロシアの名産品マトリョーシカや、
仏教の曼荼羅図のように入れ子構造になっているのに例えられる。
フラクタルの原理を使ったアート芸術もある。

自然界はフラクタルなものの集まりから生成していて、
木の枝も太い幹から大きな枝、大きな枝から小枝へと次々と分岐していくが、
そのパターンも自己相似的である。
マクロに見れば、宇宙だって月は地球の周りを回り、
地球は太陽の周りを回り、太陽は銀河系の周りを回っている。
回転という共通なパターンを描く巨大なフラクタルである。
一方ミクロな方に目を向ければ、
原子核の周りに電子が回っている。

この概念に従うと、全てのものの中に宇宙がある。
宇宙は様々な大きさの無数の宇宙から成り立っていることになる。
複雑系に見える事象も、解析すれば単純な事象の連続によって成り立っている。

人間は科学という手段を使って、出来るだけ世界を単純に叙述しようとしてきた。
もし仮に創造主という名の神の存在を仮定するなら、
そうした創造の方法の方が楽に違いない。

じっと手にとって葉っぱ一枚を観察してみよう。
やがて、そこには宇宙が広がり、新たな地平が開けるかもしれない。
ひょっとすれば、それは悟りという境地かもしれない。

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