偏狭でない辺境

話題の新書「日本辺境論」(内田樹著、新潮新書)を読んだ。
内田氏の文章は簡潔でわかりやすくてぐいぐい引き込まれた。
言い得て妙と感じる部分が多く、たいへん共感できた。

興味を惹かれたトピックは、
辺境国であるが故の二重外交。
学ぶ力の劣化。
難読症(ディスレクシア)が日本人に少ない理由。
漫画が日本語の共通点。
などなど。

どれもが明快な言葉で語ってあって、
ついふんふんとうなずいてしまう。

私くらいの世代の人間は、
きっとこの本を読んで納得できるはず。

この本のことをある人に話したら、
内田氏の分かりやすさは、
武道家であるがゆえに体を使うことに、
付随しているのではと言われた。
なるほどそうかも知れないと思った。

混迷する日本の状況を、
少しでも解明したいと思われる方はぜひご一読を。