
都内の宿泊者のうち2人に1人が外国人客になった
2024年の東京都内の宿泊者数のうち、2人に1人が訪日外国人(インバウンド)などの外国人客だった。
都市部で新型コロナウイルス禍後に外国人比率の上昇が目立つ。宿泊価格の高騰を招き、一部では会社の宿泊費の範囲内での宿泊が難しくなる「出張難民」も生まれている。
観光庁の24年の宿泊旅行統計からのべ宿泊者数に占める外国人の比率を集計した。東京都は51.5%で、京都府は50.1%、大阪府は44.9%だった。日本全国では25.2%で、比率は都市部で高い。
東京都の比率は19年には37.2%どまりだった。足元の訪日客の増加によりコロナ禍前と比べて比率が大きく上昇した。日本政府観光局(JNTO)によると24年の1年間に3687万人の外国人が日本を訪れ、25年1月も378万人と単月で過去最高だった。

24年の都内の外国人宿泊者数は5720万人で、19年の2935万人から2倍弱に増えた。都内の日本人の宿泊者数も19年から400万人程度増えたものの、外国人の伸びが大幅に上回った。
客室数がおよそ250室の浅草東武ホテル(東京・台東)では、24年7月に全ての宿泊者が外国人客の日があった。
普段から9割程度は台湾や中国、東南アジアなどからの訪日客だが、日本人がゼロの日は珍しいという。
宿泊旅行統計を基にみずほリサーチ&テクノロジーズの坂中弥生氏が試算したところ、24年に1都2府のシティーホテルの宿泊者のうち、6割が外国人だった。ビジネスホテルでも45%を占めた。
需要の高まりは価格の上昇につながっている。不動産データ分析大手、米コスター・グループ傘下のSTRによると24年に都内のホテルの平均客室単価は2万9565円で、19年の1万9019円から55%増えた。23年と比べても2割以上高い。
物価高によるコスト増や宿泊業の人手不足といった要因もあり、今後もホテル価格は高止まりしそうだ。予約が取れなかったり価格面で望む場所に泊まれなかったりする「出張難民」が生まれている。
民間シンクタンクの産労総合研究所の23年の調査では会社員の国内出張の宿泊費の支給額の平均は8606円だった。
大阪府内の会社に勤める50代の会社員は、出張時の宿泊費の上限額は1万円で「都内に泊まる際には上限に全く収まらない」と話す。
ニッセイ基礎研究所の安田拓斗氏は「ビジネスマンでもカプセルホテルなどより安価な施設や、都心から離れたホテルを選ぶといった動きがみられる」と分析する。
出張時の宿泊費の上限を引き上げる企業や自治体も出てきた。
影響は修学旅行にも広がる。青森市教育委員会は24年から修学旅行に行く中学校の生徒1人につき、6万6千円を補助する取り組みを始めた。例年の目的地は東京で、宿泊料金などの旅行費用が高騰していることを踏まえた。
インバウンドの消費額は24年に8兆円超と日本経済を支える柱になった。
政府は30年に客数6000万人、消費額15兆円の目標を掲げており今後も一定の増加が見込まれる。オーバーツーリズム(観光公害)を防ぐカギはいかに地方分散を進められるかだ。
宿泊旅行統計によると、東北地方や山陰地方など、まだ宿泊者数に占める外国人の比率が1割を下回る都道府県も多い。
坂中氏は「地方での宿泊を増やすために、具体的な交通アクセスを含めたモデルルートを作成して、口コミにつなげるといった工夫が求められる」と指摘する。
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別の視点
インバウンドの外国人が増えて東京都内のホテルが予約できない。
ホテルの価格がアップして、会社から支給される宿泊費では足りない。
その結果、国内の会社員が「出張難民」になっているという。
しかし、出張に関するトラブルは日本だけではない。
例えばアメリカの国内出張は長時間の飛行機移動を伴うし、東・西海岸では3時間の時差があるなど、日帰り出張は不可能だし、一泊したとしても、かなり疲労困憊する。
テレワーカーはコロナ禍に増えたが、首都圏では令和3年度をピークに減少傾向にある。しかし「出張難民」を減らし、出張に伴う身体へのダメージをなくするには、対面の出張はやめてリモートワークを復活させるしかないのでは。
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