日本経済新聞社がまとめた2025年夏のボーナス調査(中間集計)は、平均支給額(加重平均)が92万4716円で前年比6.29%増となり、4年連続で前年を上回った。
支給額1位は同28.35%増で335万円の商船三井だった。好業績な大手を中心とした高額支給が相次ぐ。
24年夏と比較できる146社を対象とした。
製造業は同6.27%増の101万1486円。造船(13.77%増)や化学(10.82%増)などがけん引した。非製造業は同6.05%増の77万2854円。建設(13.92%増)や百貨店・スーパー(9.49%増)の伸びが目立った。
商船三井はコンテナ船事業を中心に海運市況が好調だったことなどがボーナスを押し上げた。
同社は自己資本利益率(ROE)に基づいて賞与を計算している。ただ今期は米中の関税戦争などを考慮して最終損益は前期比6割減を見込んでいる。
2位は国内で好採算の建築工事が進む鹿島(260万円)で賞与で社員の士気向上につなげる狙いだ。3位は24年12月期が最高益だったポンプ大手の荏原(174万8000円)だった。
4社に1社が業績連動型を導入しており、支給額が100万円以上の企業の比率は27.6%と前年(20.0%)を上回った。前年比2ケタ増の伸び率となった企業の割合は19.9%で、25.2%から減少した。
賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。
2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。
産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。
年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。
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日経記事2025.5.16より引用