アップルは11日、オープンAIと連携した生成AI機能の提供を始めた(9月、ニューヨーク)
【シリコンバレー=中藤玲】
米アップルは11日、自社の生成AI(人工知能)「アップルインテリジェンス」で、米オープンAIの対話型AI「Chat(チャット)GPT」が質問に答える機能の提供を始めたと発表した。
スマートフォン「iPhone」で、音声アシスタント「Siri(シリ)」に質問するとChatGPTが答える。
アップルはChatGPTによる回答機能をアップルインテリジェンスに盛り込むと24年6月に発表した。同10月にアップルインテリジェンスのサービスを開始したが、今回、この機能を追加した。
11日に、iPhoneや多機能端末「iPad」、パソコン「Mac」における最新の基本ソフト(OS)の配信を始めた。シリと文章作成機能でチャットGPTと連携した。
利用者がシリに質問すると、チャットGPTの方が精度が高い回答をできるとシリが判断した場合に、利用者の同意を得た上でチャットGPTの回答を表示する。
これまでは文章の校正など一部機能にとどまっていた。今回からChatGPTとの連携のほか、簡単な説明文を入力すれば自分や家族をモチーフにした絵文字を生成できる機能などを追加した。
アップルインテリジェンスはスマホでは最新の「iPhone16」シリーズ全機種と、「iPhone15」の上位2機種で使える。
端末の言語を英語に設定した場合だけに対応しており、25年4月から英語以外の複数言語にも広げる。日本語も1年以内には対応する予定だ。
オープンAIとの関係を巡っては、アップルがオープンAIの資金調達に参画を検討していたが、協議の末に中止したと9月に報じられた。
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は12月初旬、テクノロジー誌「ワイアード」の取材に対して「(オープンAIへの投資を)検討したことがないとは言わないが、我々は多くの企業に投資するやり方はしない」と答えている。
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