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ゼレンスキー氏「支援なければ敗北」 米共和幹部に直訴

2023-09-22 22:34:19 | ウクライナ・ロシア情勢


ゼレンスキー氏(中央)は議会内で共和党のマッカーシー下院議長㊧と会談した。
右は民主党のジェフリーズ院内総務(Xより)

 

【ワシントン=坂口幸裕】

米国によるウクライナ支援の先行きが見通せなくなっている。米政府が連邦議会に要請した同国への追加予算に、歳出増に難色を示す野党・共和党の一部議員が反発しているためだ。

ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、「支援を得られなければ戦争に負ける」と議会内で与野党議員に直訴した。

21日午前、米首都ワシントンの連邦議会議事堂。ゼレンスキー氏を出迎える場に下院共和トップのマッカーシー議長の姿はなかった。

下院の与野党議員が待つ部屋まで案内したのは、下院民主党トップのジェフリーズ院内総務のみ。超党派でウクライナを支えてきた米議会の変化を象徴する。

米議会は2022年11月の中間選挙を踏まえ、上院は与党・民主党が多数派を維持した。一方で下院で共和が過半数を握る「ねじれ議会」になった。

米政府は22年2月にロシアがウクライナ侵攻を始めて以降、430億ドル(およそ6兆3600億円)以上の軍事支援を約束。8月にはさらに240億ドル規模の追加予算を連邦議会に要請した。


 

足元では22年末に議会で承認された対ウクライナ予算が近く底をつく事態が現実味を帯びる。それでも、支持層を意識する共和の保守強硬派には「他国に白紙の小切手を送る前に、米国民の面倒をみる必要がある」(スコット・ペリー下院議員)との声が上がっている。

ゼレンスキー氏は与野党議員との会談後、X(旧ツイッター)で戦況や防空システムなど自国防衛に必要な武器について協議したと説明。

「ウクライナの勝利がロシアや他のいかなる独裁国家も、自由世界を再び不安定化させないことを保証すると強調した」と投稿した。

「勝利のためには我々全員が団結し、協力しなければならない」とも訴えた。


マッカーシー氏は会談後にウクライナ支援を改めて表明し、追加予算も「喜んで検討する」と述べた。ただ一枚岩でない共和内のとりまとめは難航している。


1月に下院議長に選出された際、マッカーシー氏は就任に反対してきた保守強硬派が求めた解任動議を提出できる条件の緩和を受け入れた。党内で反発が強まれば、自身の立場が揺らぎかねない。

米メディアによると、マッカーシー氏は上下両院合同会議での演説を希望したゼレンスキー氏の打診を拒否した。保守強硬派への配慮が透ける。

上院では民主・共和ともにウクライナ支援継続を支持する議員が大勢だ。上院共和トップのマコネル院内総務は会談後の声明で「ロシアの軍事力を低下させることは戦略的な敵である中国の抑止に役立つ」と強調した。

追加予算の承認への道筋がみえない要因はもう一つある。米議会では9月末の会計期末を前に、成立のめどが立たない「つなぎ予算」だ。

こちらも共和強硬派の反対が続き、政府機関が閉鎖に追い込まれるリスクが高まっている。

閉鎖されれば直接的な国内総生産(GDP)成長率の下押しに加え、経済統計の公表停止で政策判断に支障を来す懸念もある。

 

共和執行部が、「つなぎ予算」と240億ドルの対ウクライナ追加予算を同時に成立させようとした場合、下院強硬派が強く抵抗する公算が大きい。

21日には歳出削減を求める強硬派が、ウクライナ支援などを盛り込んだことを理由に国防予算の関連法案を阻んだ。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は20日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、政府機関の閉鎖が米国経済のリスク要因の一つだと指摘。「不確実性は高い」と述べた。

歴代米政権にとって政策遂行の障害になってきた「ねじれ議会」は、米国だけでなく世界経済の波乱要因になっている。

 

 

日経記事  2023.09.22より引用

 

 


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