日本史大戦略 ~日本各地の古代・中世史探訪~

列島各地の遺跡に突如出現する「現地講師」稲用章のブログです。

安芸国総社跡|広島県府中町 【安芸・備後古代史探訪 ①】

2018-10-16 03:00:29 | 歴史探訪
 ⇒第1日目「備前・備中探訪」の様子はこちら

 中国地方古代史探訪の2日目の朝は、広島駅近くのホテルで目覚めました。

 7時半、ホテルを出発。

 朝の広島駅。



 生まれて初めて広島に来ましたが、普通の観光はせずに、マニアックな歴史探訪をしますよ。

 原爆ドームすら見ていない・・・

 時間があれば見学したいのですが、今回は無理です。

 それでは、レンタカーを借りて探訪開始。

 最初に向かうのは広島県府中町です。

 初めての場所に行くときは、最初に地元の郷土資料館などに立ち寄って、資料収集及び情報収集を行うのがいいので、まずは府中町歴史民俗資料館へ行きたいところなのですが、まだオープン前の時刻なので、最初に民俗資料館近辺の史跡を少し見てみようと思います。

 というわけで、安芸国の総社跡へ行ってみましょう。

 現在はコミュニティセンター総社会館が建っているようなので、カーナヴィで見つけるのは容易いです。

 ところが到着してみると、朝早いためか、駐車場がオープンしていません。

 何とか路駐して、急いで見てきます。

 こちらですね。



 入口横に説明板がありました。



 ここ府中町はその名の通り、律令時代に安芸国の国府があった場所です。

 往時は各国の国府の近くには総社があり、現在でも総社として残っている神社が結構あります。

 国府には国司という役人が中央から派遣されてくるのですが、国司の重要な仕事の一つがその地域の神社を統括することです。

 そのため、国司は着任早々、国内の神社(といっても、国が認めた神社のみ)へ参拝するのですが、数が多いと参拝するだけでもかなりの日数がかかります。

 例えば陸奥国なんかは100社ありますからね。

 そこで考え出されたのが、神様は分祀できるという特性を生かして、国府の近くに総社を建ててそこにまとめて勧請するというやり方です。

 それが総社と呼ばれ、安芸国の場合はこの辺りにあったわけです。

 おや、石碑もありますね。



 そういえば、東京都にも府中市がありますが、こちらは府中町です。

 自治体名は町村は郡が冠せられるため、郡外であれば重複しても大丈夫なのですが、市の名前は全国で重複してはいけません。

 なので、府中町がもし市になることがあったら「府中市」は名乗れないのです。

 それではつづいて、安芸国の国庁跡を探してみましょう。

 【後日註】

 私はこのとき広島県に初めて行ったこともあり、広島県に府中市があることを知りませんでした。

 この記事のコメントにもありますが、ブログ読者様からのご教示により広島県府中市の存在を知り、なぜ法律に反して府中市が2つあるのか調べてみたところ、どうやら東京都の府中市と広島県の府中市は同時に国に申請を出していたようで、それに気づかず国の方が両者を認定してしまったようです。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
府中市 (タキノ)
2018-11-03 02:26:49
初めてコメントさせていただきます。
広島県府中市だと思います。

いつの日か、稲用さんのツアーに参加したいと思っています。
ごめんなさい (タキノ)
2018-11-03 02:32:16
ごめんなさい。よく読まずに早とちりしてしまいました。
安芸国の総社跡でしたね。そこは府中町です、申し訳ありません。
(広島県には府中市があるのでそちらかと勘違いしました。)
ご指摘ありがとうございました (稲用)
2018-11-04 21:39:26
タキノさん、初めまして。

私は東京に住んでいて、広島県の地理はあまり知らず、本文で書いてある通り、地方自治体の名前を付ける場合、市名の場合は全国で重複してはいけない決まりになっていることから、「府中市」というのは東京都にしかないものだと思っていました。

そのため、最初はタキノさんの言っている意味が分からなかったのですが、調べてみたところ、広島県にも府中市があったため、なんでこういう事態になったのだろうとWebで調べてみました。

すると、面白い事実が分かりました。

なんと、東京都の府中市と広島県の府中市はほぼ同時に市名の申請を国にしたため、国の方で調整ができずこういった本来あってはならない事態になったようですね。

お陰様で新しい知識をえることができました。ありがとうございました。

ツアーもぜひご参加ください!