齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

2月のことば 春在一枝中(はるはいっしのうちにあり)

2012年02月01日 | 今月の言葉
あっという間に2月になりました。

さて、今月のことばは「春在一枝中」(はるはいっしのうちにあり)

二月になると厳しい冬を越して、木々の一枝々々の芽がふくらみ始め、多くの花が春の到来を告げるように咲き始めます。

庭師の方に聞くと、
花を多く付けるのは樹木が次の世代を残すための営みで、前年に水や肥料など十分な環境を与えられていると、成長だけして花芽は多く付かないそうです。

世の中は何事も「時節因縁が熟さないと物事はならない」と言われています。

つまり春に花が咲くためには、その時節に到るまでの、基本的な「因(内的原因)」とそれをならしめるべく助成する「縁(外的原因)」が必要なのです。

この語を見て、春が来たと素直に喜ぶ(ここが一番大切だと思うが)もよし。
自分の現在の状況に照らし、ああ、努力が実ったと所縁に感謝し一層の向上を心するもよし。
努力すれば必ず花開くのだと思い、なお一層の精進を誓い、所縁を頂けるように願うもよし。

ともあれ、天地の春の到来を一枝に見たいものです。




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