６月９日

昨夜は祐が話しこんでいった。
祐の志望大学は東京大学・・・話のネタは東京大学ネタに集中する。
どの時期に何をすべきか、それ以前にどの教科を選択すべきか・・・しかし今はまだ高校生活が始まったばかりだ。主要３教科に集中すべきだと思う。
祐が帰ったのが午後２時あたり。「ちゃんとガッコへ行くんやで」と俺。


北野ドクターからウチの塾の掲示板に書き込みあり。
三重大学医学部の威信をかけた研究、本当にご苦労様です。
忙しいとは思うけど、暇なときには昔のように飲もうね。

北野君は橋本君がウチの塾に連れてきた同級生だった。
飲む・打つ・買うの三拍子揃った橋本君からは想像できないような健康的な若者、初めて酒を飲んだ時の印象だ。しかし現役のラグビー部だけあってよく飲んだ。それに合わせて俺もまたよく飲んだ。
担当は医学部らしからぬ国語と英語。「僕は数学と理科はからっきしなんですよ」と豪快に笑った。英語と国語・・・どうしても智子（５期生）を南山大学に入れたかったのだ。

今年、三重大学病院で看護士として働く横山の奥さんが廊下で北野君に呼び止められたという。「見ましたか、塾のホームページ！」「いえ」「ついにれいめい塾から東京大学が出たんですよ」
横山・弟の結婚式で横山の奥さんが俺に言った、「それからえんえんと北野先生、東京大学の問題のすごさを熱っぽく話すんですよ。こと国語に関しては、他の大学とは一線を画する問題で、あの問題はマグレやツキでは到底解けないって」

かつてウチの塾で過ごした医学部の講師たちは今では全国に散らばり、それぞれの居場所で過酷な仕事を続けている。それでも深夜、ウチのホームページをのぞいていてくれる。
今からでは考えられないほどいいかげんだった三重大学での学生生活、その一方でそれが許されていた良き時代・・・そんな懐かしい過去への扉となる塾のホームページ。
それは医学部の講師だけに限ったことではない。他にもまだ、無数の場所でいたずらを見つからないかと恐れる子供のようにウチの塾にアクセスしているかつての塾生がいるはず。
そんな彼らのためにも、今のあるがままを、それがどんなにカッコ悪いことであっても、己を奮い立たせてでも描き出すしかない。


啓介は茨城県で開催されるレスリングの全国大会に今日から出発する。
昨夜教えた因数分解、途中から分からないのか？テンションが下がりっぱなしだった。この３日間のブランク、俺としても痛いよ。

アキラが図形問題で苦しんでいる。
昨日に続き、今日もまた相似やら面積比やらを俺の前に広げる。
解けなくともいい、それなりの頭脳をつくるつもりで地道に解くしかないのだ。

飛鳥は明日から最後で一番大事なリーグ戦が始まる。
日程表をお母さんに見せてもらった。それによると、明日と明後日が松阪県営球場。それに勝ち上がると来週末の土日、ここが正念場でこれにも勝つと７月２日が東海北陸地区の決勝。
見事に期末試験とバッティングしてくる、えらいこっちゃな。
今回の中間は「自己最高！」と家でははしゃいでいるようだが、中間の場合は春休みからの準備が大きい。かけた時間がものを言う。その意味で期末試験には中間の時ほど、かける時間はない。コンパクトでシャープなバッティングが肝心。野球ではともかく、いざ勉強でコンパクトでシャープとなると・・・厳しいな。
明日の第一試合は午前９時から・・・ぶらりと見物にでもいこうか。