漁業経済学者のひとりごと in 小浜

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Starting Point(出発点)

2005年09月17日 09時31分58秒 | Weblog
写真は,船を造る木材を切る小屋です。
私は,2002年の2月に初めてSt.Anthonyに来ました。
その時は別の場所で調査をしたのですが,
St.Anthonyが1990年代の底魚崩壊の打撃を非常に受けた場所だと
知っていたので3日間こちらへ旅行したのです。
その時に世話になったJimに再会しました。
彼は当時,船を自分で建造していて,見たら面白いだろうってことで,
私の知り合いに紹介してもらったのです。(船はまだ仕上がってませんが・・)
その時に,雪の中に立ってこの小屋に木材を運び入れたりするのを見ていました。
寒くて足の感覚がなくなったのですが,
「こんな経験は二度と出来ないから」とがんばって耐えました。
そして,あまりに日本と違う漁業のやり方に非常に興味を覚え,
再調査を決意したのです。
その後,2002年の9月に訪れ,今回は3度目の滞在となりました。
もう船の大きさ(こちらはトンでなくてフィート)の目安もつくし,
魚の名前もほぼ覚えきったし,魚と漁法と漁期も頭に入りました。
Jim が「懐かしいだろう」とこの小屋に連れて行ってくれたので,
「ここが私のstarting pointです」と言うと非常に喜んでくれました。
Jim はわりと愛想が悪いので(漁業者らしい),
よく分からなかったのですが,私のことを色々覚えていてくれました。
最初に会った時(会うのは3回目)あげた小さいダルマの置物を出してきて,
「船ができあがったら目を入れるって聞いたからまだ入れていない」と言ってました。
本当に小さいダルマなのに・・と感激しました。

そしてSt.Anthonyでの調査を終えました。
今回は12人の漁業者に聞き取りをしました。
その他に漁業関係者にも聞き取りをしたので全部で17件になります。
色々苦労もありましたが,私なりにがんばれたと思います。

次はオタワですが,こちらは資料収集がメインなので気が楽です。