夕方の夏ミカン

宵闇のおり始めた時刻　　仕事から帰って駐車場の傍まできたとき　　丸い黄色が目に入った

どこかの子どものボールが置き忘れられたのかなと思って　手を伸ばしたら　　なんと　　夏ミカン！

でこぼこ　いびつな野性的な夏ミカン

向かいの家の庭の木に　たわわに重そうに生っている夏ミカンが　落っこちてきたのだろうと思う

毎年　実がなるたびに　あんな大きいのンが生って　枝は重くないのかしら

おいしいのかなぁ　　酸っぱいだけのモンかなぁ　と　気になってた夏ミカンである

嬉しいなぁ　　　天がわたしに食べてもいいョと　くださったのだね

冬ミカンが終わって　　これからは甘夏の季節かなぁと思っていたこの頃　　まずは　この子から季節の始まり～

夕食のあと　　嬉々として　ごつごつの　でこぼこの皮をむいてみる

わくわく　　パクッ！

酢っぱ～～　　　飾り気のない酸っぱさ　　迎合的じゃない酸っぱさ　　わたしはわたしだモン・・チックな酸っぱさ

食べてるうちに　その潔さに　うま味と甘みを感じられるようになってくる

おいしいなぁ　　　おいしかったぁ
また　ある日の夕方に　落っこちてきてくれないかなぁ