華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

芝居 ” 幻に心もそぞろ 狂おしのわれら将門 ”

2005-02-14 09:38:56 | ★芝居
久しぶりに蜷川幸雄の芝居を観に行ってきた
いつも 舞台設定にはワクワクさせられるけど このたびのは大階段
城砦にもなり 役者の演技では廃墟の城内にも見える

大階段を貧しい身なりの者が這って登ると大衆の貧困が見え
武者が勢いよく駆け降りると事の緊急が伝わってくる
鷹揚と主人公の登場  堤真一の清潔な色気が好き
参謀の段田安則  気位の高い木村佳乃  中嶋朋子の情の強さ
まっすぐな若さを感じさせる高橋洋  切ない忠臣の田山涼成・・・・

舞台に雪が降る  ごつごつした石まで大きな音を立てて降ってくる
登場人物が大階段を行き来することで 舞台が垂直に膨らむ
暗闇に松明の炎が燃え 揺れる煙の匂いが臨場感となる
凛々と語る言葉が力強く美しかった  
蜷川の様式美の世界に 陶然と一体化させられてしまう
動くほどに絶望へ向かう物語なのだけれど 参謀が 桔梗が 影武者が
一途であればあるほど 将門の明るい軽さがよけい悲劇を予感させて哀れ

人の真摯って どうして いつも哀れを伴うものなのだろうか
 
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