寒い日が続いていたけど やっと 春の陽射しが戻ってきた
ゆっくり春なんだね
緊急入院した友人は 病状の進み具合が早くて 予定より4日も早く手術をすることになった
病院内は 携帯電話は使ってはいけないのかもしれないけど なぜかベッド上の彼女とメールのやり取りができる
わたしは 病名を聞いてから パソコンで 病状 治療法 予後などを詳しく知ることができた
彼女も ケイタイから 病気のことを調べたらしく「 何でもかんでも知れるのは 良し悪しだね 」と苦笑していた
術前の説明で 医師から 「 むつかしい手術で すべて取り除けるか わからない 術死もありえます 手術に同意しますか 」と言われたらしい
「 お願いします と言ったよ 遺言書を書いてないよ~ 」と 前夜にメールで知らせてきた
このごろの病院は 患者本人に こんなに何でもかんでも話すのかと 本当に驚いてしまった
手術の当日は わたしの仕事と用事で どうしても病院へ行くことができなかった
どんな気持ちで夜を眠り 朝 麻酔を受けたのかと思うと 一人で耐えてる様子を思い浮かべ 仕事をしながら泣けてしまった
ご家族が付いておられるだろうけど 手術は もう終わったかな 全身麻酔から覚めたかな 痛みはないだろうか
術後 集中治療室にでもいればメールなど送れないだろうし ご家族からもなんとも言ってこないから 気になってしかたがなかった
今日 仕事の後 急いで 病院へ行った
駅へ向かう道すがら 病院へ行く道すがら どうしてか涙があふれてきて 顔を上げて歩けなかった
ナースステーションで尋ねる前に 以前の病室に行って 名前を呼びながら 閉まっていたカーテンをそっと開けてみた
点滴やらなんやら いろんな管をつけて 目を瞑ってる様子を見たら ぼろぼろ泣けてきて わたしに気づいた彼女も 「 生きてるよ~ 」と泣き出した
「 予定より手術時間がかかったけど きれいに全部 取れましたって 今朝まで 麻酔で朦朧としてたのよ 」と言う
大きな手術を よく頑張ってくれた よかった 本当に よかった
肺の近く 腰の辺りにある小さいのは 今後 放射線や化学療法で治療していくらしい
急な入院だったから 一度 家に帰って身辺整理したいなぁ
あと どのくらい生きられるのかなぁ 子どもの成人式や結婚式を見られるかなぁ などと言う
お互いの仕事のことや趣味のこと 家族のことなど いろいろな話をしてきた彼女がいなくなることを わたしは想像できない
彼女を失いたくないと そのことしか考えられず わたしのほうが おろおろしてしまう
「 いつまで 生きられるかわからないけど 病気になってしまったのは もう しょうがないから
こうなったら 治療に専念して 少しでも良くなることを考えるわ 」と言う
今を大事に生きる ほんとに そうだと思う
明日からは できるだけ 病院へ行って 彼女の身の回りのことを手伝ったり 少しずつ快復していく様子を見守っていきたい