代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

「八ッ場ダム観光」への代替案は真田観光だ!

2009年10月07日 | エコロジカル・ニューディール政策
 前回の記事の続きです。前回の記事では、真田にゆかりの深い歴史的景観を保全するためにも、是非八ッ場ダムを中止したいという「個人的な想い」を吐露しました。しかし、あのような想いを抱くのは私ばかりではないです。全国の真田ファンは同じような感情を抱くことでしょう。
 たとえばネットで見つけた地元の歴史愛好家の方の意見を引用させていただきます。

****引用開始*********
http://teruteru1.blog3.fc2.com/blog-entry-435.htmlより

民主党が政権をとったので、マニュフェストを実行して八ッ場ダムの建設を中止するそうです。
これが実現したら、吾妻渓谷がダムに沈まなくて済みます。
川原湯温泉も沈まなくてすみます。

500年と少し前、幸隆公が昌幸公が目にしたであろう景観が守られます。

個人的には嬉しい。とても嬉しいです。

八ッ場ダムの建設に関して、地元ではいろいろいろいろありました。
特に当事者の川原湯温泉は巻きこまれたせいで辛い思いをしてきています。

『今』ダム建設を中止するのであれば、どうかどうか、地元の人が安心して未来を描けるように丁寧なフォローをお願いします。

「止めました」
の一言だけで放置することだけはやめてください。

****引用終わり************


 八ッ場ダムの建設予定地の長野原町の地元は「ダム観光」に、かすかな期待をかけています。しかし「ダム観光の成功例はない」と言われているとおり、現実的には期待薄でしょう。とくに、ダムによって吾妻渓谷の自然美を台無しにした上、ダム湖は嬬恋村からの大量の栄養塩類の流入によって植物プランクトンが繁茂し、深緑色に濁るであろうでしょうから・・・。

 今週号の『週刊朝日』(10月16日号)では、前衆議院議員の保坂展人さんが「国交省の「数字」はウソだらけ 八ツ場ダムの隠された真実」という渾身のルポルタージュを寄稿しています。
 その記事に関連して、長野原町長の高山欣也氏は、「建設に賛成の人はいない。でも中止に代替案がない」という反論をされていました。その中で、高山町長は次のように述べておられます。

「(前略)最初はみんな反対でした。それが、国の政策で軟化していく人も出てきて、最終的には疲れ果ててしまった。(中略)私どもにも闘ってきたメンツがあります。前原大臣が言うのは、ダム本体がなくなって、コレという具体的な代替案もない。そこで「何らかの措置をとる」と言われても、信用できますか(後略)」
 
 町長のコメントにも、過去50年の、長く辛かった地元の人々の闘いの経験の末の、複雑な感情がにじみ出ています。
 
 ここまで苦しめられてきた人々に対し、私のような部外者が何か言うのはおこがましいかも知れません。でも、それを承知の上で提案させていただきます。

 やはり、吾妻渓谷の自然美と、「美人の湯」としても名高い川原湯温泉に勝る観光資源はないと思います。そして、それにプラスαの観光資源を加えるとしたら、歴史ブームによってますます人気が高まる幸隆・昌幸・幸村の「真田三代」の歴史遺産を活用した「真田観光」でしょう。これで十二分に「ダム観光」の代替になるのではないかと思うのです。

 この記事では、ダムを代替する地域振興策としての「真田観光」のあり方について私見を提示したいと思います。前原国交相の何らかの参考になれば幸いです。
 
 長野原町には、前の記事でも紹介した丸岩城の他にも、長野原城、羽根尾城といったいずれも真田関係の史跡があります。そして、すぐ隣の吾妻町には天下無双の名城である岩櫃城の大城郭が存在します。

 私としては、これらの城郭郡に可能な範囲で櫓や塀などを復元し、時代劇での合戦シーンのロケ地としても使える「戦国村」として整備することを提案したいのです。もちろん旧来の山城の遺構を傷つけないように細心の注意を払っての上です。八ッ場ダムなどよりもよほど人を呼べる観光資源になるでしょう。
 
 時代劇のロケが可能な山城というのは全国にあまりありません。
 2007年の大河ドラマの「風林火山」の合戦シーンの中で何といっても印象に残ったのは、平賀源心率いる信濃勢と初陣の武田信玄が戦った「海ノ口城の攻防戦」でした。覚えている方も多いでしょう。あの合戦シーンの迫力は、NHK大河ドラマ史上でも珠玉の出来といってよいかと思います。じつにリアルな山城の攻防戦が再現されていました。

 あの合戦シーンのロケが行われたのは、信州上山田にある荒砥城です。(このページ)この城は、第一次川中島合戦で長尾景虎(上杉謙信)が武田軍を破って占領するなど、実際に武田=上杉攻防の舞台でした。川中島合戦から450年を経て、同じ場所に再び武田軍旗が翻って合戦シーンが撮影されたわけです。

 荒砥城は、山城にしては珍しく、櫓や門、塀などが推定復元されているので、ロケ地とすることができました。これは竹下登首相の「ふるさと創生資金」1億円を使って、復元されたものです。
 たった1億円の投資が功をそうして、地元は「風林火山」のような時代劇のロケ地ともなって観光客を呼び込めました。NHKの側から見ても、地元が山城を復元しておいてくれたおかげで、大河ドラマ史上に残るような迫真の合戦シーンを収録できたわけです。

 八ッ場ダムを中止し、その無駄金の一部を、山城を復元し、戦国時代の村の様子を再現する「戦国村」をつくるといった公共事業に使うべきではないでしょうか。地元の建築業界も潤います。

 今後、真田幸隆や真田昌幸を主人公とするドラマや映画が作られることもあるでしょう。その時、幸隆・昌幸が実際に活躍した岩櫃や吾妻渓谷の地で、450年の時を超えて当時の城郭を再現した上でロケを行うのです。臨場感あふれ、感涙もののドラマに仕上がることは確実です。幸村や信之だって、若い頃は岩櫃で過ごしていたのです。
 
 かつてNHKが大型時代劇として制作した「真田太平記」は、戦国時代劇の傑作の一つに数えられています。amazonの「真田太平記」DVDのレビューを見ると、何と、レビュアー全員一致の「オール5」となっています。信じられないことです。これほど評価の高い時代劇ドラマは、そうは見当たりません。今でもレンタルdvd屋に行けば「真田太平記」は、引っ張りダコの大人気とか・・・・。
 しかも「当時のNHKは製作費がなくて、合戦シーンは全くチャチだが、それでも役者の演技力とストーリーを総合して、なおかつ5」という評価が多いのです。これで合戦シーンの迫力が伴ったら一体どうなってしまうのでしょうか? 

 岩櫃の地元で、当時さながらの城郭を再現し、迫真のロケが行われれば、「戦国時代劇の最高傑作」を生みだすのも夢ではありません。そうすれば、その映像を見て感激した人々が自然と観光客として来訪するようになってくれます。

 もちろん、当時の山城が復元されるなど「戦国村」が整備されれば、「真田モノ」以外にも、あらゆる戦国モノのロケ地として使えます。東京から近いという地理的メリットもあり、映画のロケ地として、観光地として、長野原町や東吾妻町は大いに潤うことでしょう。  
 
 上田から鳥居峠を越え、嬬恋村から吾妻街道を通って、沼田へ抜ける道は戦国・真田領を横断する「真田街道」といえます。この歴史と自然と情緒にあふれる街道は、現在「日本ロマンチック街道」として整備されています。
 この道を利用して、真田の史跡を横断する観光ツアーを組むとすると、沼田から上田そして松代へというルートが想定されます。駆け足でも一泊二日、あるいはゆっくり見れば二泊三日、三泊四日は必要となります。

 真田領はたかだか6万5000石などといってバカにする人もいますが、面積は上信の二カ国の、利根川と信濃川という日本一位と二位の二大河川の上流域にまたがって、相当に広いのです。山また山ばかりで、水田が少ないからコメ本位制では生産力が低ように見えるだけです。真田の経済力はコメではありません。牧場からは駿馬、山々からは木材や鹿の革など山の幸、こうした山国特有の経済力が真田の軍事力を支えていたものと思われます。

 ロマンチック街道を利用した真田史跡ツアーの途中での一泊は、沼田と上田のちょうど中間地点に位置する川原湯温泉ということにはなりませんでしょうか? その意味でも、この地に「戦国村」を整備する必要は大きいのではないでしょうか。川原湯温泉は、真田観光に欠かせない存在になることでしょう。

 長くなってきました。まだまだ書きたいことがあるのですが、本日はこれまで。

 
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3 コメント

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Unknown (Cru)
2010-02-01 00:01:47
盛岡の繋温泉(御所湖)は成功例じゃないんですかね?
まだ日本経済が右肩上がりの時代でしたが。

今は、国内も国外も観光需要自体が減退してますからねぇ、日本は。
Unknown (Cru)
2010-02-01 00:01:47
盛岡の繋温泉(御所湖)は成功例じゃないんですかね?
まだ日本経済が右肩上がりの時代でしたが。

今は、国内も国外も観光需要自体が減退してますからねぇ、日本は。
八ッ場ダムには反対です (Cru)
2010-02-01 00:04:09
URL欄にタイトルを入れてしまってブログCGIに怒られたので二重投稿してしまいました。すみません。
「八ッ場ダムには反対です」というタイトルでした。

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