代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

民主党は共産党と選挙協力すべきである

2015年09月21日 | 政治経済(日本)
 共産党が安保関連法案を廃止するための「国民連合政府」を呼びかけたことに対して、民主党の岡田代表が前向きな姿勢を見せているそうだ。すばらしい。民主党は共産党と選挙協力すべきである。その理由を以下に書く。

共産党から長州色は薄まっている

 「自分たちだけが絶対に正しい。だから何をやっても許される」というのは、岸信介や安倍晋三の長州右派にも、野坂参三や宮本顕治の長州左派にも存在する。吉田松陰以来の長州系政治運動に濃厚に見られる特質であった。しかし、最近の共産党から長州的な特徴は薄まっているように見える。

 最近の共産党は「オール沖縄」で保守とも手を組んだ沖縄や、橋下維新の暴走を抑えるために自民党大阪府連とも協力した大阪での経験を経て、かつての唯我独尊的なやり方は薄まってきている(なくなったわけではないが)。それにつれて、日本国民のあいだに存在した共産党アレルギーも薄まっている。むしろ多くの日本人がアレルギー反応を起こしているのは、何をやっても許されるという長州的特質まる出しで暴走している安倍政権に対してである。

 今回、「安倍政権を絶対に許さない。安倍政治を終わらせ立憲政治を取り戻す」という広範な国民の声が前衛勢力である。共産党はその声に押されてついてきている後衛の側といえる。立憲政治を取り戻すための暫定政権なのだから、共産党も「日米安保破棄」などの綱領を一時的に棚上げにして政権に入ることができる。「自分たちこそが前衛である」というかつての共産党的傲慢さも、最近は影をひそめている。


民主党の親米右派議員には出て行ってもらった方がよい

 民主党の議員の中には「全体主義の共産党と一緒にできない」という声があるようだ。野党連合政権ができたとして、その一角に共産党が存在したところで、与党内の小数勢力でしかないのだから、もちろん全体主義になどなるわけがない。
 公明党の例を見ればよいだろう。共産党と公明党は一枚岩の党組織原理をもつ全体主義的な体質という点で、思想は違えど、組織形態は似たもの同士である。その公明党が与党の一角を占めたところで、ほとんど何もできていないのは見ての通りである。公明党は安倍政権の暴走になすすべもなく引きずられているだけだ。同様に、共産党が与党の一角を占めたとして、民主党がしっかりしていれば、共産党に引きずりまわされることなどない。
 「どうしても共産党とは一緒にできない」という親米右派の民主党議員がいれば、むしろ積極的に出て行ってもらい、彼らには橋下さんのところとでもくっついてもらった方が、政界の見取り図はスッキリする。それによって民主党の票は増えこそすれ、減ることはないだろう。民主党にとっては、彼らに出て行ってもらった上で、共産党の組織票をもらった方が、総得票数は確実に上がるだろう。

 まずは来年の参院選で自民を過半数割れに追い込めれば、安倍政権は崩壊し、安倍政治の暴走は止まる。衆院は自公多数のままだから政権交代は起こらない。しかし安倍政治の暴走は止まる。まずはそれが目標でよい。そのための選挙協力なのであれば、民主党が共産党怖がる必要など毛頭ない。


官僚になめられたくなかったら共産党を味方につけた方がよい


 もっとも、最終的には共産党も与党の一角を占める野党による立憲主義回復連合政権をつくるべきだろう。
 前回の民主党政権の最大の失敗は、官僚になめられたことだった。なぜなめられたのかといえば人事に手をつけなかったことだ。

 政権の主要政策に従わない各省の局長・部長・課長級は更迭し、政権の政策に近い人間を政治任用で各省の幹部クラスに据えるべきだった。それができなかったことが、民主党政権の失敗の最大の原因なのである。
 共産党と霞が関の各省は、「上意下達」「民主集中制」という組織文化が似ている。じつは、霞が関と共産党は体質的に、意外とウマは合うと思う。民主党に、強面の共産党がついて協力していた方が、政権は霞が関官僚になめられずにすむだろう。

 共産党は何といっても労働者の党である。公務員といえども雇用は守る。部長から更迭されて、窓際に行っても、雇用は守る。心を入れ替えるのならまた重要ポストにつける。こうしていけば、官僚の抵抗も収まるのではないだろうか。
 
 先ずやるべきことは、誰を政治任用で各省の重要ポストにつけるのか慎重に見きわめることである。たとえば外務省だったら孫崎享さんや天木直人さんのような、経産省だったら古賀茂明さんや若杉冽さんのような、防衛省だったら柳澤協二さんのような、国交省だったら宮本博司さんのような、経験豊かでかつ野党の政策に近い各省のOBの方々を政治任用で重要ポストに就けていくべきなのだ。
 いまから各省の幹部に誰を政治任用すべきか、野党各党で話し合っておくべきだろう。


最大の課題はアメリカ対策である

 もちろん最も手ごわいのはアメリカであろう。しかし現在のラテンアメリカ諸国は、反米左派政権ばかりが席捲しているにも関わらず、アメリカはそれを潰すことができないでいる。立憲政治の王道に従って、選挙で左派が政権をとってもアメリカは簡単には潰せないようになっている。
 かつて中米のニカラグアでサンディにスタ民族解放戦線が革命で政権を奪取したとき、アメリカは右派ゲリラに軍事支援して血みどろの内戦を引き起こした。しかし選挙でサンディにスタが政権に返り咲いた現在、サンディニスタ政権を潰すことはできないでいる。
 

 

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