代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

ジョセフ・ナイとの仮想問答 ―鳩山論文をめぐって―

2009年09月11日 | 脱米
 NYタイムスの例の『Voice』鳩山論文の(一部)の転載事件のあと、「民主党政権で日米関係が損なわれたら大変だ~」といった、日本のマスコミによる「常軌を逸した」としか言いようのない報道が続きました。ヤレヤレ。
 アメリカが珍しく日本の政治家の論壇記事など大きく取り上げて、日本の動向を気にして騒いでくれているのだから、我々は大いに喜ぶべきでしょう。それに、鳩山さんの論文、すごく良いことが書いてあります。外に出して恥ずかしくありません。

 「アメリカが押しつけてきたグローバルスタンダードという名のアメリカンスタンダードは各国固有の伝統や産業や国民生活を破壊してきた。グローバルな市場原理主義の行き過ぎを正し、伝統文化、地域の慣習、人と人との絆を取り戻し、共生社会を実現する。それが友愛の精神だ・・・・」。
 一般論としては、私も鳩山論文の内容に大賛成です。世界に向けて発信した次期首相の文章として、日本人として誇るべき内容だと思います。

 実際、鳩山論文が英語で公表されたことにより、良識のある世界の人々は、日本をちょっと見直したと思います。アメリカのリベラル層は、「お、日本にもなかなか骨のある政治家が出てきたじゃないか。なかなか良いこと言うじゃない」と歓迎していることでしょう。私たちは大いに喜ぶべきなのです。

 アメリカの保守層からしてみると、「長年囲ってきた愛人が突然さからいやがった」ってな感じに似た衝撃を受けているのかもしれません。これも大いに結構なことです。
 媚びて、貢ぐだけの女かと思っていたら、意外に骨があって、「私のライフスタイルも考えず、自分のスタンダードを押しつけるだけのジコチュー男なんてキライ。アジアにだって他にいい人はたくさんいるのよ」なんて言いやがった。このままでは自分から離れていってしまうかも知れない・・・・・。
 このように焦らせてやりましょう。向こうは先ず恫喝作戦に出るでしょう。その恫喝に屈したら、ますます「媚女」と思われて、米国をツケ上がらせるだけです。こっちには「米国債」という切り札の外交カードもあるのです。ここで、こちらが強い態度で出られないでどうするんですか。

 ここで恫喝をはねつける姿勢こそ、日米関係を損なうどころか、二国間関係の健全な発展のために必要な方策なのです。鳩山論文は、じつに効果的だったと思います。米国の「愛」が中国に移りかけていたところで、日本に振り向かせることに成功したのですから・・・・。右派の皆様も喜びましょう。

 この際、「愛人」の取るべき戦略としては、他の男の存在をチラつかせながら、思いっきり彼の嫉妬感情を呼び起こし、ヤキモチを焼かせることでしょう。「このままでは本当に俺のところから離れていくかも」と彼ら焦れば焦るほど、向こうからの譲歩も引き出せるのです。 「私の愛をつなぎとめておきたかったら、これくらいのプレゼントは頂戴ねっ」と。そうすれば、日米地位協定の見直しや、インド洋の給油打ち切りくらい勝ち取れるというものです。
 
 9月8日の『日経新聞』にハーバード大学のジョセフ・ナイのインタビューが掲載されていました。民主党政権下での日米関係についてです。「リベラル」のはずのナイにしたって、恫喝めいた発言で、「愛人」をムリヤリに従わせようとしているという態度が濃厚です。やれやれ。これのどこが「ソフト・パワー」なんでしょ。しかも、その恫喝内容の稚拙さったらありゃしない。私たちもナメなれたもんです。長年、自民党政権が媚び続けてきたツケだといえるでしょう。
 そこで、『日経新聞』(9月8日朝刊)のナイ発言をそのまま引用して青字で、仮想「愛人」の反論を赤字で書きます。鳩山新首相や岡田新外相の何かの参考になればうれしく存じます(笑)。

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ナイ 「小泉政権は規制緩和などで成長を刺激した。新政権が市場重視の改革をひっくり返すと成長は阻害される」

「もう、あなたの刺激ってワンパターンなのよ。市場にはS(供給)があれば、M・・・じゃなかったD(需要)があるの。なのにあなたはSばかり。あなたのワンパターンな刺激を小泉さんがひたすら喜んで受け入れちゃったせいで、世の中過剰なS(供給)だらけ。一方でD(需要)が全く冷え込んじゃったってわけ。わかる? だから生活再建による内需拡大策が必要なんでしょう。あんた経済のテクニック本当にわかってるの?」

ナイ 「インド洋での給油活動はやめても大したことではない。その代わりになにをするのか。アフガニスタンでの活動は国連が関与し、欧州連合(EU)も参加している。日本が何もしないということはないだろう。」

「あなたたちのサディステックな攻撃のせいで、アフガン農民はケシでも栽培しなけりゃ食っていけない状態になっちゃったようね。平和を愛する私たちとしては、さらにテロと麻薬を拡散するようなアホな攻撃には、もちろん加担いたしません。私たちは大義に従って、テロやケシ栽培を根絶するため、アフガニスタンの農村復興と農民生活の安定のための支援活動をさせていただきます」

ナイ 「在日米軍への思いやり予算を打ち切れば、米軍は引き揚げる。日本の防衛費はかさむだろう」

「あなた、隣に囲っていたフィリピーナのマンションでは、部屋代まで払ってあげてたっていうじゃない。何で私のところでは、部屋代はおろかあんたの生活費まで私が払わなきゃならないの!!!(注:フィリピンの米軍基地の場合、駐留経費はすべて米国が負担していた)
 ああ、どこぞの国の愚かな投機行動で始まった世界不況のせいで、もう私たちの生活はメチャクチャ。これ以上、あなたに払えるお金なんてありません。どうぞ、どうぞ出て行ってください。もう二度とタダ飯食わせてやんないわよーだ。何せ、私自身の生活が苦しいんですからねー。
 えっ、あなたが出ていくと、私の「防衛」のためのお金を増やさなきゃいけないって? もちろん喜んで。あなたへの仕送り分は、自分の防衛のために使わせていただきます。うーん、まず最優先に支出しなきゃいけない防衛費。皆の生活を安定させて、自暴自棄になる若者たちを少なくすることかな。何せ、我が家には絶望のあまり「希望は戦争」なんて言う子どもたちが増えてますから」


ナイ 「沖縄の普天間基地の移設問題は私が国防次官補だったことから15年も停滞している。よりよい解決法があるとしても、さらに15年も無駄にするのだろうか」

「あんたたちがグアムにでも出ていけばいいんでしょう。3年もあれば解決するでしょ! 何で人の家の敷地の中に、しかも一番環境のよいところで代替地を探そうとするの!!」
 

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