代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

国交省と自民党サポーターのショックドクトリン —ダムとスーパー堤防

2019年10月18日 | 治水と緑のダム
昨日(2019年10月18日)の東京新聞特報面は、台風19号の水害で、本当に八ッ場ダムやスーパー堤防が役に立ったのかという検証特集でした。ネットで繰り広げられる自民党サポーター達のお祭り騒ぎに対して、早々に事実関係の検証記事を掲載した東京新聞の対応の素早さに敬意を表します。

 スーパー堤防について、私のところにも電話取材が来ましたので、私のコメントも一部引用されております。

 まず八ッ場ダムについては、前回の記事で紹介した嶋津暉之氏の計算結果が紹介され、八ッ場ダムに宣伝されているような劇的な効果はなかったことが分析されています。

 記事の中で衝撃的なのは、石崎勝義氏のコメントでしょう。石崎氏は、元建設省土木研究所で、越水しても破堤しにくい耐越水型堤防の開発に携わっていた技術官僚です。石崎氏は記事中で次のように答えています。

「国交省の予算は大きく『社会保障費に回せ』という圧力は高い。でも、堤防が決壊すれば、それをはね返して予算を確保することができる。国交省の役人は今回のように決壊するのは都合がいいと思っているんです

 水害が起き、決壊が起こるたびに、ダムやスーパー堤防を賛美する自民党サポーターたちのお祭り騒ぎがネット上で展開されます。これは国交省と自民党サポーターたちによる「ショックドクトリン」です。
 
 大変な惨事が発生し、多くの人びとがショックで冷静な判断ができなくなっている中で、それに便乗して、予算枠や利権を拡大したり、与党の勢力拡大を目論むのです。皆が冷静になって、協力しなければいけない時に、非常に汚いやり方といえるでしょう。
 
 前掲の石崎氏が提言するのは、堤防全体を遮水しアスファルトなどで覆ってしまうアーマーレビー堤防の導入です。
 なぜ今回のように多くの堤防が破堤するのかと言えば、堤防は土が露出したままだからです。幼児でも分かる理屈で、土が剥き出しであれば、そこから水が浸入して洗堀され、破堤に至るのです。

 小惑星にピンポイトで探査機を着陸させられる21世紀にもなって、何で中国の古代王朝時代のような土が剥き出しの堤防技術のままなのでしょう?

 実際にはアーマーレビーのような耐越水堤防を整備すれば、今回のような数多くの堤防は防げるはずなのです。しかし国交省はそれをしない。しかも、アーマーレビー堤防はスーパー堤防の100分の1のコストで建設可能なのです。

 国交省は、秦の始皇帝の焚書坑儒のように、アーマーレビーのような技術をなかったことにし、関係資料を破棄して、「越水しても破堤しないのはスーパー堤防のみ」という言説を広め水害を契機にさらにダム建設とスーパー堤防建設に邁進しようというのです。ショックの中で焼け太りしようということでしょう。

 ほとんど空母の時代に戦艦大和をつくっているようなものです。戦前の日本の軍部の愚かさとまったく同じだと私は思います。
 
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1 コメント

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(関さま)台風19号による非難の報に接しお見舞い申し上げます (Mr.T)
2019-10-20 20:38:54
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台風19号:上念司、スーパー堤防デマ・蓮舫叩きデマに乗っかる
http://datsuaikokukarutonosusume.blog.jp/archives/1076021284.html
※外交の安倍が何処まで公共事業に投資できるか見物
https://twitter.com/AbeShinzo/status/1185510227187101696
生き残るために見たくない現実を見よう
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12535503427.html

あの豪雨の時、琵琶湖がためた水の量は約5億トン!
https://shigatoco.com/toco/biwako_bousai/
天ヶ瀬ダムの13個分だった?!

自然災害対策と「財政問題」は、分けて考えろ
https://toyokeizai.net/articles/-/231318
「赤字だから対策できない」には根拠がない

備考:
https://www.youtube.com/watch?v=XfueFEXdGOo
https://www.youtube.com/watch?v=X0LVt4RO6zc
https://sptnkne.ws/Aabbhttps://sptnkne.ws/AdXk
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全国でも全体を網羅したハザードマップ
これを作っているのは滋賀県だけとか

古来より要所を守る東洋の治水法の伝統か
公助・自助・共助は時代により変わりましたが
公益のためのインフラ整備を公共事業(投資)を
悪玉に仕立て上げるってのは昔からなんでしょうが
例によって国税庁を抱え強制調査権を持ってるため
国土交通省も官僚組織のトップの財務省に忖度すると

いわば行政国家における国家予算の編成権を牛耳る
最強の官庁は大蔵省の解体から変わった印象ですね

今にして思えばノーパンしゃぶしゃぶ事件
これは米系のカラー革命的な感じもします

根っからの売国奴の系譜である例の麻生太郎さんは
https://www.youtube.com/watch?v=a0161vy3h5M
ミイラ取りがミイラになった以上の話しに思いますね

アキバでの演説もそうですが断固反対のTPPで
政権の座に帰り着いた途端に手の平を返して
大事な農業の東北エリアを見捨てるなどなど
福島の原発事故で明らかなのが人治国家
(表からは見えない民間議員らが跋扈中)
アベノミクスで緊縮財政までやるわけで
結果として日本を痛めつけただけかと

国土強靭化が言われて久しいですが
令和の政策ピボットと同様な感じで
殆ど何にも進んでいない模様です

ご参考まで:https://38news.jp/media/14781
https://ameblo.jp/diet-witch-aki/entry-12535588878.html

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