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読書:FBI心理分析官2

2007年08月21日 | 読書:犯罪心理/法医学
ロバート・K・レスラー著 田中一江訳 1996

「FBI心理分析官」、「快楽殺人の心理」に続く三冊目です。

「FBI心理分析官」では、FBIの行動科学課でプロファイラーとして出遭った
「異常殺人者」について紹介し、その心理について語り、
「快楽殺人の心理」ではそれらを更に専門的に、学術的に論じていたレスラー氏。

「羊たちの沈黙」の題材となったのは有名です
(但し、レスラー氏は良く出来ていると賞賛した上で、
 エンターテイメント、ストーリーとして効果的だが、現実には即さない部分もあるとしています)

FBIを引退後、各地の法執行機関のコンサルタントや犯罪学の講師として活躍し、
その活動の場を広げています。

「FBI心理分析官2」では、やはり実際に起こった事件を題材としていますが、
レスラー氏は実際の捜査には関わらず、アドバイザー、もしくはコメンテータとして
プロファイル作成をしたり、事件にコメントしたりしています。
彼の活動範囲が広がった(異常殺人者の存在が認識された、あるいは彼等が世界で認められるようになった)ため
様々な国の事件が取り上げられます。

日本の事件としては、優秀な医師が妻子を殺し、海に投げ捨てた「横浜港母子殺人事件」
宮崎勤の幼女誘拐殺人事件。
日本人留学生がアメリカで射殺された事件(フリーズ、という言葉が有名になった)
そして「地下鉄のハルマゲドン」として、「地下鉄サリン事件」

留学生射殺事件について、レスリー氏は、撃ったピアースに問題があることを指摘しています。
彼自身も、当初はこの事件を不幸な事故だと思っていたようですが、
刑事裁判でピアースが無罪となった後、留学生の両親が彼の責任追及のため民事訴訟を起こし、
その弁護士がレスリー氏に分析を依頼、情報を分析した結果、
ピアースの行動を「不適当で過剰な反応」と結論付けました。
その理由について、彼は五項目を挙げていますが、非常に納得のいくものです。
その冷静な分析、先入観に惑わされない論理的な思考には感嘆しました。
レスリー氏の意見を参考にした弁護士は、民事訴訟で完全勝利を収め、
判事は「たとえ刑事裁判で被告が無罪だとしても、非があるのは明らか」としました。

オウム真理教に対しても、教祖や盲信者達について冷静な分析を加えており
(いずれも集められるだけの情報を集め、推測、憶測の類はありません)
何故あのようなことが起きたのか、納得はいかないまでも理解はできました。

読み物としても、専門書としても非常に面白いです。

読むなら順に三冊読まれることをお勧めします。
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