Four Season Colors

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タイキシャトル

2022-08-22 | 雑文
日本競馬は25頭目の顕彰場であるタイキシ
ャトルが、8月17日に老衰により亡くなっ
た。

28歳まで生きたということで、天寿を全う
したかたちのよう。

1997年から1998年にかけて国内G1
を4勝、海外G1を1勝した名マイラーであ
った。

当時は自分は、まだまだ知識の浅い(今も全
く深くないが)競馬ビギナーだった。

当然にリアルタイムで見たレースも少なく、
それゆえに、美しくて強い栗毛の走る姿は、
今まで強く強く印象に残ることとなる。

その頃は国内保護の制度が残っていて、タイ
キシャトルも外国産馬の宿命を背負った競走
馬生活を送った。

それはただ単に時代であるのだけれど、これ
もまた、それゆえに、この名マイラーが誕生
した要因ともいえる。

外国産馬=(イコール)速いという位には単
純で、その見慣れぬ父親と血統は、それだけ
でワクワクを喚起した。

近年ではウマ娘への登場もあり、動画サイト
ではメイショウドトウとともに穏やかな日々
の生活を見ることもできた。

むやみやたらに競馬を美化するつもりはない
ので、美辞麗句もピュアな感動も述べはしな
い。

引退馬の生活を見て感じるのは、そこに、自
分の認知する個体の生命があるということの
安心だけである。

ただそれだけのことが、これまではとても難
しく、薄情ともいえる忘却も生んでいた。

こうして「さようなら」までがそれほど距離
のないものであることは、とてもありがたい
ことなのだと思う。

競走馬であったことの幸せはわからないが、
名馬の命の終盤から終わりが、皆に愛され続
けたことは、悪いことではないと信じている。

8月の暑い夏の日に、感謝の想いをこめて。


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