弁理士『三色眼鏡』の 業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事(商標)】LINEに似た看板→商標法違反で逮捕

2017年11月01日 08時13分58秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
気持ちの良いお天気ですが、やはり徐々に肌寒くなってきている湘南地方です。

さて、今朝はこんな記事。

静岡新聞NEWSより引用)
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LINEそっくり? 商標法違反容疑、経営者逮捕 沼津署

無料通信アプリ「LINE」の文字と似たデザインのロゴを使用したとして、沼津署は30日、商標法違反の疑いで沼津市大手町、飲食店経営の男(33)を逮捕した。
同アプリを運営するLINE(東京都新宿区)によると、商標法違反で同社が被害者となったのは全国初。
逮捕容疑は、LINEが商標登録している「LINE」の文字と類似する商標を、今年1月上旬から同市大手町のアミューズメントバー「LINE」の看板に使用し、商標権を侵害した疑い。
同署によると、署員が店の看板を発見し、捜査を進めていた。
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(引用終わり)

リンク先に看板の写真があるけれど…ま、フォントもそのまんまだわ。
フォントが違ったとしても侵害は侵害なのだけど、「寄せてる」感が尋常じゃないので、逮捕に踏み切ったのかな、と想像。

ただ、この手の記事を取り上げるだけだと誤解が残ったままになりそうなので、
このサイトのコメントを参考にしつつ以下Q&A。

[Q1]業種違うと思うんだけど商標法違反になるの?
[A1]なります。
 詳細が書かれていないのでどの権利に基づいて権利侵害を認定したのかはわかりませんが、
 LINE株式会社が保有している「LINE」ロゴ関係の商標のうち、今回関係のある「飲食物の提供」について抑えている登録は以下の通り。



少なくともNo.2,3が商標登録されており、これらの権利侵害にあたる。現時点ではまだ登録から3年経過していないので、不使用取消の対象にもならない。
なお一番上の「登録5570784(01)」とあるのは、「防護標章登録」といわれるもの。
防護標章とは、周知な商標の禁止権を拡大することで異業種でのただ乗り的な使用に対処するための制度。
No.2,3の登録は持っているけれども、LINE株式会社自体が飲食物の提供をやっていないとすればおいおい不使用取消の対象となってしまう。
しかし防護標章登録は、自らが使用する義務はない(というか、使用するなら普通に商標登録を受ければよいはなし)ので、
まさに今回のようなケースへの対処にはうってつけ。

[Q2]民事じゃなくて刑事なんだ。親告罪じゃないの?
[A2]どちらもあり得ます。追っかけで民事で訴えることもあり得ます。
    そして、秘密保持命令違反(第81条の2)を除き、告訴が無くても起訴可能な非親告罪です。

[Q3]LINEは一般的な用語でしょ?
[A3]飽くまで指定商品(役務)との関係で“一般的な用語”かどうかが問題となります。
    少なくとも飲食物の提供との関係で、LINEは何か一般的な言葉とはいえません。
    それ以前に、防護標章登録されている=周知認定されている、ということですからね。一般的、という主張自体が厳しいと思います。


深く考えずに有名なサービス名を拝借してしまうとこんな事態になるケースもあるので、くれぐれもご注意ください。
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