弁理士『三色眼鏡』の 業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事(商標)】元号の商標登録は不可…?

2018年11月06日 08時28分06秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
なんだかここんとこグズつき気味な天気の@湘南地方です。

さて、今朝はこんな記事

(時事ドットコムより引用)
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元号の商標登録は不可=新旧ともルール明確化

皇位継承に伴う来年5月の改元に向け、政府は同2月に商標審査基準を改定し、新旧の元号を含む商標は原則登録できないことを明文化する方針を固めた。ルールを明確化し、新元号を事前公表した場合に便乗商法が広がるのを防ぐのが狙い。ただ、国民に広く知られている「明治ホールディングス」などのケースは引き続き認める。
===============================
(引用終わり)

相変わらず記事の書き方にちょっと違和感。。
これだと、「元号」自体が「不登録事由」(4条)であるかのように読める。
しかしそうではなく、
実際のところ産業構造審議会で議論されている審査基準の改訂は、商標法第3条第1項第6号=商標としての「登録要件」に関するもの。
そもそも現状「元号」について言及しているのも同じ条項の審査基準。

現行の審査基準における「元号」に関する言及は以下の通り。

=====
4.現元号を表示する商標について
商標が、現元号として認識される場合(「平成」、「HEISEI」等)は、本号に該当すると判断する。
=====


で、改正案がここ何回かで色々揉まれているところなのだけど、直近の第26回で議論された改定案が以下の通り。

=====
4.元号を表示する商標について
商標が、元号として認識されるにすぎない場合は、本号に該当すると判断する。
元号として認識されるにすぎない場合と判断する考慮要素としては、例えば、元号が会社の創立時期、商品の製造時期、過去の出来事の日付・期間を表示するものとして一般的に用いられていることが考えられる。
=====


それで、議事録を読むと、
・特に「過去の出来事の日付・期間」という用語が、商品・役務との関係では全く書かれておらず、歴史上、過去に起きた出来事の日付とか期間を表示するものとして一般的に用いられているものも全てここに含まれて全部拒絶されてしまうという懸念がある
・「一般的に用いられていること」であって、過去でない、将来の出来事、予定している出来事などに関する出願も考えられるから、もし「出来事」という文言を残すのであれば、「過去の」という限定は要らないのではないか
・「考慮要素としては……が考えられる。」という言い方になっているので、そこについては、はっきり「判断する。」とか「考慮する。」という形で言い切ってもらったほうが審査基準としてわかりやすい

等と言った意見が出ており、更に修正が図られる模様。

そうだよなー。「元号」って言っちゃうと嘉永とか天保とかも元号だもんなぁ。
というか、そもそも「商標が、元号として認識されるにすぎない場合」なので、
元号とその他の識別力がある語との結合なら基本的には問題ない。

とはいえ、次の元号を“予測”して行われる出願について、通常ベースの審査が行われた場合のファーストアクションが出るのは、たぶん元号が変わってから。
なので仮に審査基準改定が追い付かなくても査定/審決時には「現元号」になるんだろうけどね。

ともあれ、いまどきの商標採択にあたって元号周りのネーミングを狙う、という姿勢も正直どんなもんかなぁ、と思ったりします。
逆にダサカッコ良かったりするのかな。
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