弁理士『三色眼鏡』の 業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事(商標)】赤い靴底(色彩のみからなる商標)

2018年02月08日 08時26分14秒 | 実務関係(商・不)
おはようございます!
相変わらず気持ちの良い寒さの今朝の湘南地方です。

さて、久々知財ネタ。今日はこんな記事

(ロイターより引用)
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ルブタンの「赤い靴底」訴訟、独占商標に暗雲

[ブリュッセル 6日 ロイター] - フランスのデザイナー、クリスチャン・ルブタンが、ハイヒールに赤い底を使用する権利の独占を求めていた訴訟で6日、欧州連合(EU)の最高裁に当たる欧州司法裁判所(ECJ)の法務官が、他人が類似の靴底を販売することを阻止する権利は認められないとの見解を示した。独占商標への道に暗雲が垂れ込めた形となった。

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(引用終わり)

日本にも3年前に「新しいタイプの商標」の一つとして導入された「色彩のみからなる商標」。
導入準備時期の説明会で海外の事例として良く紹介されていた、ルブタンの靴。

いやー、そりゃ確かに象徴的な彩色かもしれないけど、靴底の色の独占は無理があるでしょ!?
というのが当職の感覚(当時)。
実際、単色での登録は、現状日本では未だ認められていない。
複数色の組み合わせについては「MONO」(第5930334号)と「セブンイレブン」(第5933289号)の事例がある。

一方でこの記事にも書いているとおり、
アメリカでは靴底のみ赤い靴について排他権が裁判所において認められた事例もある。


独占を認める=他者の自由を制限する なので、結局はその点のバランスを考えながら線引きをしなければならないと思うのだけれど、
特定商品の特定部位とはいえ、単色の保護を認めてしまうと大きくバランスを損なうと思う。
築き上げられた信用保護のために制度が活用されるのは本来の姿であって、仮にこれを登録を認めると
当該デザインの独占環境、将来に向けて信用を築き上げる環境を公的に保証することになってしまう。

アルファベット2文字までは原則独占対象にならないのと同じ感覚で、
(如何にヘビーユースしていても)単色は、少なくとも美的外観を呈する機能を有する用いられ方をする限りにおいては
独占を認めないか、又は商標権の効力を制限する規定(=これがあると事実上制度としては底抜けになるが)が必要じゃないかなと。

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