弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【商標】形式上、どこまでを同一人とみるか、の話(商標法第4条第1項第11号)

2019年04月05日 08時47分43秒 | 実務関係(商・不)
おはようございます!
すっかり春模様な今朝の@湘南地方です。

バタバタしていて久々のブログ更新。
今日はマイナーネタ。審査便覧の改定のお話。

「出願人(申請人)の同一認定に関する取扱い」が改定。少し緩くなる。
これは4条1項11号(=先行する他人の同一/類似商標)に関するお話。

商標の登録要件として、先に他人の同一/類似の登録/出願が無いか、というのがある。
裏を返せば、例え同一/類似の先行商標があってもそれが本人のものであれば障害にはならない、ということ。
今回の話は、「他人」とみるか「本人」とみるか、の話。

例え出願人名が同一でも、住所が異なる場合、審査上は「他人」として取り扱われるのが原則。
なので、本社移転などをした場合には、商業登記だけでなく登録商標についても表示変更の手続をしておくべき。
でないと、自分の過去の商標登録を引用されて出願が拒絶されてしまうことがある。
(もちろん拒絶理由通知が出てから表示変更により対処することもできるけど、じゃあ前もってやってた方がスムーズ)

このように、登録上「同一人」とみるかは、商標権者の名称だけでなく住所の一致も見る、というのが原則。
ただ、
例えば外国の出願人/商標権者の場合、日本語の音訳がビミョーに異なることがある。
或いは、日本の出願人/商標権者でも、行政区画の変更により表示が変わるケースもある。
さすがにそんな場合に四角四面に「表示が違うから他人ね」とやっていると特許庁の事務だって煩雑になるので、
一定のアローワンスを設けている。そのアローワンスが広くなる、というのが今回のお話。

これまでも、
「オーストリア」と「オーストリヤ」とか、
「カンパニー」と「コンパニー」と「コムパニー」とかは同一人として取り扱っていたし、
「カンパニーリミテッド」でも「シーオーエルティーディー」でも同一人として取り扱っていた。

ただ、そうしたアローワンスは、審査便覧に例示されているものに限られていた。
今回の改定で、
「正式名称の音訳とは形式上異なるものの、辞書等で確認できるときは、実質的に同一人として取り扱われることになり、その旨が明記されました」
とのこと。

なので、外内案件で変な11号拒絶を受けて、現地に説明するのが厄介、ということは無くなるかな。

とはいえ、方式審査における識別番号付与(特許庁のCIF番号)においてはそこまで融通は利かさないのは変わらないらしいので、(出願ではない)申請手続きにあたっては気を付けないといけません。


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