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土居健郎『「甘え」の思想』(1995、弘文堂)を再読して-こころから悲しむことの大切さ(再録)

2018年03月31日 | 精神療法に学ぶ
 このところ、土居健郎さんの精神分析の専門書ではなくて、一般読者向けの本を読み返していたのですが、いろいろなことを考えさせられました。
 有名な『「甘え」の構造』(1971、弘文堂)や『「甘え」雑稿』(1975、弘文堂)、『表と裏』(1985、弘文堂)、そして、本書などを読んでいましたが、それらの本の中で、例えば、「甘え」と「うらみ」、「ねたみ」などの関係が述べられていたり、また、秘密と自立の関係などの問題が考察されちたりして、臨床的に重要な問題が提起されているように思いました。
 本書の中では、わたしは、さらに、ここのところ気になっている、悲しみをこころから悲しむこと、についてより深く考えさせられました。
 土居さんは、悲しみについて、悲しいのは愛するものを失うからだ、といいきります。
 そして、愛するものを失って悲しむ人はこころを病まないが、愛するものを失っても悲しめない人はこころを病むおそれが強い、といいます。
 さらに、「うらみ」や「悔み」が強い場合に、悲しむことができない、と指摘します。
 つまり、愛するものを失っても、なんらかの理由で、「うらみ」や「悔み」が強い時に、こころから悲しむことができずに、こころを病むおそれがある、ということだと思います。
 これらのことを考えていて、悲しみをこころから悲しむことというのは、本当に大切なことなのだなと、あらためて思いました。
 悲しみをこころから悲しみ、喜びをこころから喜び、楽しみをこころから楽しめるような、そんなこころの大きな人間になりたいな、とつくづく思いました。
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