「一先、一度自然堂に戻ろうじゃないか？」北海道庁3階での会議を終え、神庫はメンバー達に促している。「まだ何かあるの？」美恵が退屈感からはまだ抜けきれていない様である。「戻ってから今後の再生夕張の打ち合わせを始めるつもりだが、フライトの時間なのか？」「時間はまだたっぷりあるけど…)「では付き合いなさい」父親のような口調で美恵に告げている。一行が駐車場の車に乗り込もうとしている時に大きな声で呼び止める声がしている。「先生、少し待っていただけませんか？」上田室長が歩み寄っている.傍らにはオブザーバーで参加した松本市の平林と高知市の美馬もいる。「どうされました…？」「先生、高知にすぐにでも来て頂けませんでしょうか？」美馬が答えている。「皆さん、立ち話もなんですからこれから仮事務所でお話をお聞きしますので我々の後に付いて来て頂けませんか？」
神庫達の2台の車の後から上田、平林、美馬を乗せた車が続いている。自然堂皆援に到着した時のことである。美馬が「しぜんどうみなえんと読むのですか？」と尋ねている。「ジネンドウカイエンと読みます」伊集院が答えている。「カイエンって海援隊の？」「その通りです。すすき野で建築中の物は皆援隊です」「本当ですか？どなたのネーミングなのですか？」美馬の興味は止まらない。「神庫先生です。先生の坂本龍馬に対する思い入れは大変なものですよ」「それは嬉しいです。北海道で龍馬の話題に巡り会えるとは…」美馬はあまり龍馬には詳しくないようである。「さあオフィスに行きましょう」西岡が促している。「仮オフィスのため簡単な応接セットとパソコン、コピー等必要最低限の什器備品とデスクがあるだけのオフィスである。「神庫先生、高知市のターンアラウンドもお願いしたいのです」
「松本市もお願いします」平林もラブコールである。「大変ありがたいのですが、夕張のターンアラウンドが本格的にこれからですのでマンパワー不足です」「取引銀行のターンアラウンドアドバイザーでは物足りないのです」「それは言えてるな。評論家みたいだった)「松本の銀行にもいるのか、ターンアラウンドアドバイザーが…」「全国の金融機関におりますよ」神庫が実態を告げている。「デューデリジェンスから始めておきましょうか？」「何ですか、デューデリジェンスって…？」美馬はどうやら依存体質のようである。「調査、検査とは少し違い精密検査とでも表現したらいいのでしょうか」「精密検査ですか？」「ええ、例えば高知市が再生を必要としているという問題があったとします。原因は何かで留まらず、原因の原因、そのまた原因と追求し真因まで探し出します。そして初めて改善案が生み出され、具体的実施となるのです」
「そうなんですか？」「例えば高知市の再生の原因は坂本龍馬依存だとします」「まさにそれですよ」美馬が口を挟んでいる。「ここで終わってしまうと、改善案は坂本龍馬の代わりは何か、程度で改善案が決まってしまいます。ハコモノ依存です」「その通りです」「このデューデリにかなりの時間とマンパワーが必要となります」「何とかなりませんか？」「これからミーティングを始めますので、課題に入れておきます。結果は携帯に連絡させていただきます」「お願いします」「松本も忘れないでください」平林も懇願している。「すまなかった。では再生夕張のミーティングと松本、高知の再生に関してのミーティングを始めます」やっと本題にたどり着いている。「夕張の衰退真因は何かな？」「魅力消失じゃないでしょうか？」西岡の意見である。「私もそうだと思うんだ。となると改善案は？」「魅力ある街創りで人口増を図ることです」
「人口増のための魅力は何だろうな？」「暮らしやすさ、安全安心と生活保障かな…」「大事なことだな…」「産婦人科医の増員、待機児童零、住宅充実、雇用の拡大、正規、非正規の格差廃止、介護、医療の充実を始め、ライフラインの整備、つまりニュータウンの建設が急がれるでしょうね」「衣食住ならぬ医職充実か…」「どうやって広くこの情報を多くの人に知らしめるかです」「夕張再生参加企業、支援団体の名前を列記し、マスコミに働きかけてみるか」「売名行為にはなりませんか？」「マスコミの扱い方次第だな」「法人税等の優遇措置も不可欠です」「道知事に交渉はしてみるさ」「大だい的なキャンペーンを打ちましょうよ」「キャッチコピーは？」「生まれ変わる夕張、住みやすさ、暮らしやすさ日本一の街を目指す夕張。こんな感じでどうですか？」
「麻衣に来てもらおう」
「おー、麻衣か、すぐに札幌まで来てくれないか。ジョブを頼みたいんだ。フライトの時刻がわかったら連絡くれないか、誰かに迎えに行ってもらうから」「麻衣さんが来て頂けるんですか？」「ああ、松本と高知の件もあるからね」「先生,ジョブの担当分けをお願いします」「そうだな、法人誘致は私と伊集院に頼む。広宣を西岡、マーケットリサーチは美恵と新庄に頼む」「またマーケットリサーチなの？」美恵の素朴な疑問である。「今度はグランドデザインに対する市民の反応の調査だ」「はーい」
神庫達の2台の車の後から上田、平林、美馬を乗せた車が続いている。自然堂皆援に到着した時のことである。美馬が「しぜんどうみなえんと読むのですか？」と尋ねている。「ジネンドウカイエンと読みます」伊集院が答えている。「カイエンって海援隊の？」「その通りです。すすき野で建築中の物は皆援隊です」「本当ですか？どなたのネーミングなのですか？」美馬の興味は止まらない。「神庫先生です。先生の坂本龍馬に対する思い入れは大変なものですよ」「それは嬉しいです。北海道で龍馬の話題に巡り会えるとは…」美馬はあまり龍馬には詳しくないようである。「さあオフィスに行きましょう」西岡が促している。「仮オフィスのため簡単な応接セットとパソコン、コピー等必要最低限の什器備品とデスクがあるだけのオフィスである。「神庫先生、高知市のターンアラウンドもお願いしたいのです」
「松本市もお願いします」平林もラブコールである。「大変ありがたいのですが、夕張のターンアラウンドが本格的にこれからですのでマンパワー不足です」「取引銀行のターンアラウンドアドバイザーでは物足りないのです」「それは言えてるな。評論家みたいだった)「松本の銀行にもいるのか、ターンアラウンドアドバイザーが…」「全国の金融機関におりますよ」神庫が実態を告げている。「デューデリジェンスから始めておきましょうか？」「何ですか、デューデリジェンスって…？」美馬はどうやら依存体質のようである。「調査、検査とは少し違い精密検査とでも表現したらいいのでしょうか」「精密検査ですか？」「ええ、例えば高知市が再生を必要としているという問題があったとします。原因は何かで留まらず、原因の原因、そのまた原因と追求し真因まで探し出します。そして初めて改善案が生み出され、具体的実施となるのです」
「そうなんですか？」「例えば高知市の再生の原因は坂本龍馬依存だとします」「まさにそれですよ」美馬が口を挟んでいる。「ここで終わってしまうと、改善案は坂本龍馬の代わりは何か、程度で改善案が決まってしまいます。ハコモノ依存です」「その通りです」「このデューデリにかなりの時間とマンパワーが必要となります」「何とかなりませんか？」「これからミーティングを始めますので、課題に入れておきます。結果は携帯に連絡させていただきます」「お願いします」「松本も忘れないでください」平林も懇願している。「すまなかった。では再生夕張のミーティングと松本、高知の再生に関してのミーティングを始めます」やっと本題にたどり着いている。「夕張の衰退真因は何かな？」「魅力消失じゃないでしょうか？」西岡の意見である。「私もそうだと思うんだ。となると改善案は？」「魅力ある街創りで人口増を図ることです」
「人口増のための魅力は何だろうな？」「暮らしやすさ、安全安心と生活保障かな…」「大事なことだな…」「産婦人科医の増員、待機児童零、住宅充実、雇用の拡大、正規、非正規の格差廃止、介護、医療の充実を始め、ライフラインの整備、つまりニュータウンの建設が急がれるでしょうね」「衣食住ならぬ医職充実か…」「どうやって広くこの情報を多くの人に知らしめるかです」「夕張再生参加企業、支援団体の名前を列記し、マスコミに働きかけてみるか」「売名行為にはなりませんか？」「マスコミの扱い方次第だな」「法人税等の優遇措置も不可欠です」「道知事に交渉はしてみるさ」「大だい的なキャンペーンを打ちましょうよ」「キャッチコピーは？」「生まれ変わる夕張、住みやすさ、暮らしやすさ日本一の街を目指す夕張。こんな感じでどうですか？」
「麻衣に来てもらおう」
「おー、麻衣か、すぐに札幌まで来てくれないか。ジョブを頼みたいんだ。フライトの時刻がわかったら連絡くれないか、誰かに迎えに行ってもらうから」「麻衣さんが来て頂けるんですか？」「ああ、松本と高知の件もあるからね」「先生,ジョブの担当分けをお願いします」「そうだな、法人誘致は私と伊集院に頼む。広宣を西岡、マーケットリサーチは美恵と新庄に頼む」「またマーケットリサーチなの？」美恵の素朴な疑問である。「今度はグランドデザインに対する市民の反応の調査だ」「はーい」