インプロヴィゼーションの彼方に

人生ヨウスルニインプロヴィゼーション

Different Trains / Steve Reich

2005-05-14 01:37:15 | 今日の一枚
今日の通勤のBGMをSteve ReichのDifferent Trains/Electric Counterpointにしてみた。非常にミニマル。クロノスカルテットが奏でる延々走る列車の音そのものを表現したかのような音楽。その上を短い言葉をサンプリングして地味にグルーヴに組み込んでループさせその音程の近似値を拾ってストリングスで同時に演奏したりしている、非常に実験的で当時としての前衛現代音楽。 そしてElectric Counterpointに至れば長い長い列車での旅を終え、下車した知らない土地には何もなく、あるものといえばだだっぴろい夜の空の星空しかない、といった感じにPat Methenyがディレイかけまくりの一人多重録音、ミニマル・ギターイディオムの教科書的な演奏を記録。延々とフレイズを反復し、麻痺した感覚の覚醒と高揚を待つかのように快楽へと突き進むこの実験的手法、今ではテクノやプログレ、ヒップホップ、エレクトロニカポップに流用されかなりポピュラリティーを確立していますね。しかしミニマル/現代前衛音楽家とはいえクラシック畑なReich、ただひたすらに反復されるフレイズの中にも高貴で気品ある音響となにげに和声が進行しドラマを織り込んだ構造になっているのはさすが。さてそんな音楽にのせて今朝は相鉄線が走る走る。なかなかシュールな臨場感と自己満足を得ることができました。