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論文)2008年ノーベル化学賞はGFP

2008-10-09 23:27:49 | 読んだ論文備忘録

2008年ノーベル化学賞は「緑色蛍光タンパク質GFP の発見と開発」に対し、下村 脩氏、Martin Chalfie 氏、Roger Tsien 氏に贈られた。日本のマスコミは日本人受賞者である下村氏について多く報道しており、他の2氏についての情報が少ないように思う。下村氏によるオワンクラゲからのGFPタンパク質の単離は、GFPを最初に発見したということで大変素晴らしい業績であることは間違いない。ただ、このタンパク質をタンパク質の発光タグとして利用できること、さらにこのタンパク質を様々な色に発光させて同時に複数のタンパク質の挙動を見ることを可能にしたことが、現在のGFP利用にとって大きな貢献となっており、そのあたりの経緯をもう少し理解しておく必要があると思う。Martin Chalfie 氏、Roger Tsien 氏の業績についてちょっと検索してみたところ、以下のような論文が見られた。ここで示す論文が初出論文であるかはよく調べていないが、参考までに列挙してみる。(これらの論文、検索しただけで読んでません。本当はちゃんと読まなきゃダメ)

Cooperative interactions between the Caenorhabditis elegans homeoproteins UNC-86 and MEC-3
D Xue, Y Tu, and M Chalfie
Science (1993) 261:1324-1328

GFP遺伝子をクローニングして線虫を光らせた最初の論文?

Green fluorescent protein as a marker for gene expression
M Chalfie, Y Tu, G Euskirchen, WW Ward, and DC Prasher
Science (1994) 263:802-805

GFPがマーカーとして有効であることを示した論文

Engineering green fluorescent protein for improved brightness, longer wavelengths and fluorescence resonance energy transfer
Roger Heim and Roger Y. Tsien
Current Biol (1996) 6:178-182
GFPの蛍光をより強くし、さらに色を変えることを行なった論文

ちなみに、GFPの色変わり変異についての論文は別にある。この著者たちは今回のノーベル賞を受賞していない。
Red-Shifted Excitation Mutants of the Green Fluorescent Protein
Simon Delagrave, Rachael E. Hawtin, Christopher M. Silva, Mary M. Yang & Douglas C. Youvan
Bio/Technology (1995) 13:151-154

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