非国民通信

ノーモア・コイズミ

将軍様は日本が好き

2006-11-07 00:24:22 | ニュース

トロ?コーチン?「ぜいたく品」何? 北朝鮮制裁で苦慮

国連安全保障理事会の制裁決議を受けた北朝鮮への輸出を禁止する「ぜいたく品」について、政府はリストづくりに苦慮している。

 やってる側は真剣なのでしょうけれど、どこか笑いを誘うニュースです。

財務省の貿易統計によると、昨年1年間の北朝鮮への輸出額は、肉類が約5800万円、酪農品約67万円、マグロ約20万円、エアコン約2400万円、乗用車約6億8000万円(約1500台)など。

 マグロ約20万円というのが何とも言えません。マグロ20万円・・・要するにマグロ1匹でしょうか? なんか慎ましい印象を受けてしまいます。

「カップラーメンも好物のようだけど、一般国民の生活にかかわるから対象外」「マグロといってもトロだけなのか全部なのか、難しい」。日本政府関係者の間でも、意見はさまざまだ。

 偉い人たちがこういうことを真剣に悩んでいる姿を想像するとなにやら微笑ましいですね。

 で、リストアップされているのがこれ。

■■北朝鮮の金正日総書記のお気に入り■■

【飲食品】

 築地市場のトロ、松阪牛、名古屋コーチン、日清食品のカップラーメン「ラ王」、キッコーマンのしょうゆ、文明堂のカステラ、サントリーのウイスキー「インペリアル」=以上日本

 マッコリ=韓国、魚のメロ=デンマーク、フカヒレ=中国、コニャック「ヘネシーXO」=フランス

【電化製品】

 NECのパソコン、ダイキン工業のエアコン=以上日本

【自動車】

 ホンダ「CB250」、トヨタ「セルシオ」、※マツダ「RX7」、※ヤマハ「ビラーゴ」=以上日本

 妙に内容が具体的なのが笑いを誘うと思われるのですがどうなんでしょう? しかし日本で作成されたリストだからなのかも知れませんが、ずいぶんと日本製品が多い。将軍様は日本の食品と日本の工業製品をこよなく愛好されている模様です。

 いや、将軍様が好むのは何も日本の食品や工業製品だけではありません。将軍様が「男はつらいよ」シリーズの熱烈なファンであることはつとに有名ですし、東宝の特撮スタッフを招いて怪獣映画『プルガサリ』をプロデュースしたのも有名、引田天功のファンであることも有名です。ついでに将軍様のご子息は密入国を繰り返してまでディズニーランドを訪れていることで有名です(この子はフランスのディズニーランドにも行こうとしてフランス政府と揉めてましたが)。

 間違いありません、将軍様は親日派です。あの人は普通の日本人よりも日本製品を愛用し、日本映画をよく見ているに違いありません。ミサイル問題とか核問題があるわけですが、あれは別に日本だけを狙ったわけではないわけで、むしろ将軍様が築地市場や松阪牛生産地、キッコーマン本社や文明堂本店、ディズニーランド、引田天功居住地を含む地域に対して軍事行動を取ることは考えにくい――他国の軍事基地ではなく、わざわざ自分の好きな店、自分の好きな手品師の住む街を破壊しようとする、そんなお馬鹿な選択をする人はいませんよね?

 例えば拉致問題を見てみましょう、将軍様は拉致という非道を認めて謝意を示し、生存者を日本に帰しました。北朝鮮国内では、自国の非を認めるとは自虐史観だ、いつまで謝罪外交を続ければ気が済むのかと批判もあったのではと推測されますが、まあよくぞやってくれたのではないでしょうか。残念ながら拉致問題は日本側が徹底して交渉を拒みだしたことで完全に停滞してしまいましたが、将軍様は拉致問題解決の姿勢は示しましたよ、と。ちなみに、拉致が実行された当時は抗日パルチザンの金日成氏の時代、金正日氏は国外には全く知られていない時代でした。それでも自国の責任として非を認めたのは、日本への歩み寄りとしてもうちょっと評価されてもよさそうなものです。
(参考、日本の強硬路線が拉致問題解決を遅らせる

 それでももし金正日に脅威を感じるというのであれば、金正日を亡命させてみるというのはどうでしょうか? 日本に。

 金正日政権の基盤はかなり危ういとも聞きます。中国への亡命の噂も絶えません。でも見てください、将軍様は中国製品より日本製品が好きなのです。PCはレノボではなくNECを愛用、本場中国の麺ではなく日清食品のカップ麺が好きなのです。日本映画大好き、日本食大好き、日本製品大好き、子供はディズニーランド大好きです。いっそのこと、日本に呼んでしまいましょう。

 ペルーで失脚したフジモリ氏を亡命させてやった実績が日本にはあります。失脚の危険に絶えずさらされている将軍様を一日も早く亡命させてやりましょう。金正日が極東アジアの平和を脅かしているというのであれば、権力の座から降りる道を用意してやりましょう。将軍様を日本に亡命させてやれば、日本がアジア地域の平和に貢献できるではありませんか。これぞ国際貢献というものです。それにきっと、北朝鮮の普通の国民からも感謝されますよ!

 ヒトラーは画家になりたかったものの、美術学校に落ちたために夢を捨てて転身、長じて総統になっては多大な被害を出しました。そこで「美術学校がヒトラーを合格させてやればあんなことにはならなかったのに」というジョークがあるわけです。将軍様も金日成の息子という立場上、ああいう役をやっていますが本当は映画監督になってプルガサリの続編を作りたいのかも知れません。だったら、日本が夢を叶えてやるというのも一つの手です。金正日氏を映画監督として日本に招聘しましょう。将軍様が日本で怪獣映画を作っている間、極東アジアは平和です。

 ま、上の話は半分ジョーク、到底ありえないであろう話です。将軍様が亡命を検討することはあってもそれが日本という可能性は皆無でしょう。それに日本政府にとって北朝鮮のようなわかりやすい悪役は自らの正当性を主張する上で格好の存在ですし。でも財政難のこの時代、国家の安全保障にもコスト削減の努力は必要だと、そう思うわけですよ。高価なイージス艦や高価なミサイル、米軍への思いやり、みんな高く付きます。そんなことよりまた東宝のスタッフを派遣して、費用は日本持ちで構わないので怪獣映画でも作らせておけばいいのです。将軍様が何かやばいことをやらかしそうになったら、寅さんのDVDでも見せてやればいいわけで、これ幸いと軍拡競争を始めたところで相手もムキになる危険性を増すだけです。将軍様は自分の近臣に外国の贅沢品を与えることで忠誠を保っていると言われていますが、日本は将軍様と近臣に日本の贅沢品を与えることで親日派に鞍替えさせて骨抜きにしてしまいましょう。なんならご子息である金正男くんをディズニーランドに年間パスポート付きで招待してみるのもよさそうです。自分の子供がディズニーランドで遊んでいる間は日本には迂闊に手が出せませんよ。


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