非国民通信

ノーモア・コイズミ

御手洗ビジョン

2007-01-02 16:29:54 | ニュース

消費税は2011年度までに2%程度引き上げ=経団連・御手洗ビジョン(ロイター)

 日本経団連は、今後10年間にわたり日本が成長するための課題と施策をまとめた長期ビジョン「希望の国、日本」(通称・御手洗ビジョン)を策定し、1日付で発表した。財政健全化に2%程度の消費税引き上げを提言したほか、企業の国際競争力強化のため法人税実効税率も現行より約10%引き下げ、30%程度とすることを求めた。一方、道州制導入や労働市場改革なども提案し、人口減少のなかで経済成長を続ける「日本型成長モデル」の確立を目指す。

(中略)

 内閣府は19年度予算案から基礎的財政収支の黒字化に必要な財源不足を、昨年7月時点の16・5兆円から9・5兆円に減らした。計算上は、収支の黒字化に消費税増税は必要なくなるが、御手洗冨士夫会長は「基礎的財政収支の黒字化は財政再建の一里塚に過ぎない」とし、膨大な長期債務の削減に消費税上げは不可欠とみている。

 あけましておめでとうございます、非国民通信です。ここのところ意外にも産経新聞の記事を引用することが多いことに気づきました。突っ込みやすい記事だからでしょうか。

 さて、当ブログではおなじみの御手洗がまたもや妄言を吐いています。妄言と言っても権力者の言葉ですから、これが実行に移されてしまう可能性は濃厚です。御手洗など特権階級には希望の、普通の市民には絶望の国、日本が待っています。

 内閣府の希望に満ちた楽観的な観測によりますと、計算上は収支の黒字化に消費税増税は必要なくなるそうです。なるほどそれなら希望の国ですが、ヽ( ・∀・)ノ● ウンコーに言わせれば「基礎的財政収支の黒字化は財政再建の一里塚に過ぎない」とのことで、消費税増税は不可欠だとか。そして「企業の国際競争力強化のため法人税実効税率も現行より約10%引き下げ、30%程度とすることを求めた」増税する一方で減税していては財政再建の役に立ちません。露骨に矛盾したビジョンですね。

     法人税率×(1+住民税率)+事業税率
実効税率=――――――――――――――――――
           1+事業税率

 こんな数式で導き出されるのが実効税率で、理論値が40%ちょい。これを30%程度にしろというのがヽ( ・∀・)ノ● ウンコーの要求のようです。しかし、この事業税というのが損金算入できるなど大きく変動するのです。昨年11月に決まりました減価償却制度の見直しにより、設備取得費の全額を損金算入することが許されるようになるなど、このあたりの税制は常に緩められ続けています。このため、実効税率とは別に、実際に課税される税率はすでに30%程度であったりします。ここからさらに下げるのがヽ( ・∀・)ノ● ウンコービジョン、人の欲には限りがありませんね。ちなみに法人ならぬ個人の場合、平成19年より収入が900万を超えた先の所得税課税は33%、これに各種地方税や源泉徴収諸々が加わります。我々が希望を持つためには生身の人間であることをやめて法律上の人になった方が良さそうですね。

 ビジョンは、人口減少のなかで生産性を引き上げ、経済成長を続けるための「5年間の実行計画」(御手洗会長)と位置づけた。提言に盛られた施策を実行することで、18年から27年までの間に、年平均実質2・2%、名目3・3%の経済成長を実現できるとしている。これにより、27年の1人当たり国民所得は17年比で3割程度増大すると指摘している。

 計算上は収支の黒字化に消費税増税は必要なくなるとする内閣府の楽観的な見解に否定的なヽ( ・∀・)ノ● ウンコーですが、こと経済成長に関しては超楽観的な観測を披露しています。まるでスターリンの五ヶ年計画を思わせる希望に満ちたビジョンですね。スターリンの鉄の意志による五ヶ年計画でソ連人民の生活は苦しくなりましたが、ソ連という国全体で見れば劇的な経済成長を達成し、僅かな期間でソ連は世界に冠たる工業大国へとのし上がりました。ヽ( ・∀・)ノ● ウンコーもやってくれるでしょう。そして我々国民は早めに亡命の支度をしておきましょう。

 一方、人口減少社会に対応し、労働市場改革についても提言を行った。現状では、27年の労働力人口が16年に比べて約400万人減少するとされる。だが、女性の就労支援、高齢者の活用など「全員参加型の社会を実現する」ことにより、労働力人口の減少を100万人以下にとどめられると指摘している。

 全員参加型の社会、ですか。何に参加? 労働市場に全員参加、というのであれば、それは全員参加型の会社と言うべきですね。いい加減に会社と社会の同一視をやめるべきでしょう。会社で働くことが唯一絶対の社会参加ではありません。男性女性問わず働きたい人が働くのは勝手ですが、そうでない人まで巻き込まれるのは御免です。ましてや高齢者、年寄りを引っ張り出して働かせようという社会が希望の国であるとする発想にはついて行けません。

「働く」って何だっけ? 世界に誇るべき日本人の労働観、その誇りと自信を取り戻せ

働くことは喜びであり貢献である
 日本人の労働観の根底には、「働くとは傍(はた)を楽(らく)にすること」というものがあるんですね。たとえ言葉にしなくても、そんな雰囲気をどこかに持っている。「世のため、人のため」なんて、子供の頃からよく聞いた言葉でしょう。最近はちょっと聞かなくなりましたが…。「死ぬまで世の中のお役に立ちたい」という意識がどこかにある。2007年に団塊の世代が定年を迎えるようになると、この感覚が非常に強くなって再び出てくると思うんですね。

 読むに堪えないコラムですが、日本人は働きたがるものと規定されています。その実態は、働かないもしくは働けない相手に対して不寛容な社会、生活の手段であるはずの労働が目的化してしまった社会であると思われます。その結果として働いていない状況に恥を感じる、生活の糧を得ることではなく働くことに執着してしまう、世界でも稀な勤労中心の人生観が形成されているわけです。タカ派が好んで口にする「普通の国」という言葉がありますが、まあ他国に軍隊を駐留させることが「普通の国」であるかは疑わしいのですが、ともあれ「普通の国」を目指すのであれば労働観においてこそ普通の国を目指して欲しいものです。

 【御手洗ビジョンの骨子】

・技術革新などで年平均実質2・2%、名目3・3%の経済成長を実現、平成27年に1人あたり国民所得を17年比3割増

・23年度までに消費税率を2%程度引き上げ

・法人税実効税率を30%程度に引き下げ

・労働市場改革で27年までの労働力人口減少幅を100万人以下に抑制

・東アジア全域に及ぶ経済連携協定の実現

・27年度をめどに道州制を導入

・愛国心に根ざす公徳心の養成

・憲法改正を実現

 どさくさに紛れて経済とは関係のないところにまで口を出しておりますなぁ。

 

 ←ヽ( ・∀・)ノ● ウンコー


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