非国民通信

ノーモア・コイズミ

生産性を下げる人々

2017-05-07 23:17:11 | 雇用・経済

 「無能な働き者、これは処刑するしかない。理由は働き者ではあるが、無能であるために間違いに気づかず進んで実行していこうとし、さらなる間違いを引き起こすからである。」 ……とはドイツの軍人が語ったとの触れ込みで広まった都市伝説の一節ですが、由来の疑わしさはさておき納得のいく言葉ではあるように思います。他に「有能な怠け者、これは総指揮官に向いている。有能な働き者、これは参謀に向いている。無能な怠け者、これは連絡将校もしくは下級兵士に向いている」等々。

 まぁ有能な人間というのは本当に希有な存在ですので、どこの組織も基本的には「無能な働き者」と「無能な怠け者」で構成されているわけです。傑出して有能な人々の集団であれば何事も上手くいくのでしょうけれど、普通の賃金で集められるのは特別な才能を持った人ではない、平凡な人々です。実際に使えるのは「無能な働き者」と「無能な怠け者」だけ、その中でいかに適切に人を起用できるのかが、管理職や経営者には問われます。

 

自己責任で「休日出勤」したら上司に怒られた! 勝手に働いたらダメな理由

せっかくのお休みなのに、仕事が気になってしまい、自主的に休日出勤したことはありませんか。昔であれば「やる気がある」と認められた行動かもしれませんが、今はそういう時代ではなくなろうとしています。

しかし中には、休日であっても会社に行きたくなってしまう人もいるようです。ネットの掲示板には、自主的に休日出勤をしたら、上司に叱られてしまったという体験談がありました。投稿者は、自己責任で出勤しているとの認識で、不満を抱いたようです。

 

 ここで出てくる「自己責任で出勤している」投稿者は、典型的な「無能な怠け者」と言えます。幸いにして投稿者の職場にはマトモな上司がいたようですが、とかく自主性を尊び指示を待つことを絶対悪とする日本の職場では、このように自主的に休日出勤するような人こそ「やる気がある」と高く評価されがちではないでしょうか。巷には自主的に残業することを勧めるコンサルタントの類いも少なくありません。「自主的に」労働時間を延ばすことは、日本の会社で認められるための最大公約数的な方法であり続けています。

 一方で日本の労働生産性は先進国では最低クラスです。まぁ日本は既に先進国からは脱落したと言われればそれまでですが、とにかく「時間当りの」生産性が低いわけです。そして、この突出して低い生産性を支えているのが日本の会社で地位を得ている「無能な働き者」達ではないかと、私は思います。「無能な怠け者」はなるべく労力を使わずに仕事を終わらせるものですが、逆に「無能な働き者」は仕事を創ってしまう、言われなくても余計な仕事を増やしてしまいますから。

 ここで「無能な働き者」の仕事ぶりにメスが入るような社会であれば、日本の生産性にも多少の改善は見られるのかも知れません。しかし、会社から疎まれるのが「無能な怠け者」であるならば、どうなるでしょうか。指示を待つことを絶対悪とする日本の職場では、無能な怠け者は許されません。逆に「指示を待たずに、自主的に」行動する無能な働き者が賞賛されがちです。そうなると、仕事を増やす方が模範になる、仕事を最低限の労力で片付けようとする人が相対的にマイナスの評価を受ける、かくして生産性は低下の一途を辿ると言えます。

 上記引用の投稿者も、意識が高いと言いますかビジネス本の類いを鵜呑みにするタイプと言いますか、いずれにせよ「良いこと」と思って自主的に休日出勤していたのでしょう。それが怒られたから心外だ、と。確かに、一般的な職場では褒められる行為なのかも知れません。実際、積極的な休日出勤やサービス残業で昇進していった人の姿を見ることは珍しくありませんから。しかし、無能な働き者が自主性を発揮することを許すほどに、職場の生産性は低下していくのです。


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