非国民通信

ノーモア・コイズミ

モデルケースとしては有意義だ

2015-12-27 11:41:50 | 政治

 仕事と○○の両立云々という話は色々とあるもので、それは現状では両立が難しい場面が多いからこそ出てくる議論とも言えます。そして往々にして「仕事」の方を優先することが当然視されてもいるわけです。もちろん担う責任次第では仕事を優先すべき場面もあるのでしょうけれど、日本社会の場合はその敷居が低すぎるところもあるように思います。端的に言えば「(非正規ではない)社員」だとか、その程度のレベルで仕事優先が当たり前のように求められているのではないでしょうか。本当に限られた一握りの人間、たとえば一定以上の規模の会社の経営者クラスともなれば話は別ですが、たかだか正規雇用程度で仕事第一を要求されてはたまりません。

 

自民・宮崎氏、育休取得の意向=菅長官「超党派で議員立法を」(時事通信)

 自民党の宮崎謙介衆院議員(34)=京都3区=は23日、来年2月に予定される妻の金子恵美衆院議員(37)=新潟4区=の出産後、「育児休暇」を取得する意向を明らかにした。東京都内で記者団に、「男性の育児参加を推進したい。まず『隗(かい)より始めよ』で、1億総活躍推進のためにも頑張りたい」と語った。

(中略)

 これに関し、23日に都内で開かれた宮崎・金子夫妻の結婚披露宴であいさつした菅義偉官房長官は「育休を取るための議員立法を超党派でつくればいい」と提案。育休取得を推進する立場の塩崎恭久厚生労働相も「最低限やることを押さえながら、イクメンをやってもらわないと困る。前向きに頑張ってほしい」と激励した。 

 

 ……で、割と反響があるらしいのが上で伝えられている自民党議員の育休宣言です。「一石を投じる」という意味合いでは若手議員らしからぬ良い仕事をしているとも言えます。ただ「本当に限られた一握りの人間」には、私事を犠牲にしてでも職務に専念することが求められるのではないかとも考えるわけで、そして国会議員ともなれば、まさに「本当に限られた一握りの人間」です。諸々の特別な権利、権限、権力を預けられた国会議員ともなれば、単なる会社員とは負うべき責任も違います。普通の人とは違うものを与えられた身分であれば、その辺のサラリーマンと同じ基準で考えられるべきではないのでしょう。

 ただ、モデルケースとしては有意義と思います。育休を取得する人は少ない、ましてやそれが男性側ともなれば、本当に希少です。女性側ではなく男性側が育児のために休業する、国会議員という注目度の高い立場で育休男性の先駆者になるのは、結構な意義があるのではないでしょうか。何百人もいる与党議員の末席でひっそりと出番を待っているよりも、育休取得のモデルとして行動する方がずっと政治的な活動とすら言えます。少なくとも国民の関心を高めるという点では成功していますし、身内のこととあってか意外や自民党内部でも容認論の方が優勢なようで、まぁ「こういうのもアリ」ですかね。

 

 一方、否定的見解を連発しているのが民主党で、いかにも強者目線の考え方しかできない政党だなと感じさせてくれるところです。たとえば世の中には国籍や人種、性別や親の資産状況など「生まれたときから不利」なスタートに立たされている人もいて、一方で「他人よりも努力して」不利な条件を克服して社会的に成功した人もいるわけです。その種の人は往々にして「他人よりも努力すれば成功できる」のだからと、有利不利の是正を求めるような声にネガティブな態度を取りがちだったりします。民主党の見解は、そういう類に似ているのではないかな、と。

 特に蓮舫にとって国会議員は時間に自由の利く暇な仕事のようですが、それは誰にとっても同じではありません。「人を働かせる側」の人間が、従業員に「十分な休暇は与えている」と強弁しているのと同じようなもので、「自分はできる(と思っている)」としても、他人が同じことをできるとは限らないわけです。ちょっと昔に「苦労を乗り越えてきた」人が「自分たちはできたんだから」と次なる世代にも同等の苦労を要求するのと同じようなものでもあります。いかに育児する人の負担を軽減するかが課題になっている現代において、「頑張ればできるだろう」と仕事の負担を減らすことに異議を唱える民主党的な見解が幅を利かせ育休の取得にあれこれと条件が付けられてしまえば、まぁ少子化は今以上に加速しそうですね。

 

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