非国民通信

ノーモア・コイズミ

とりあえず清武代表は休職すべきだと思った

2011-11-14 23:05:00 | 社会

巨人:清武代表が渡辺会長を告発「人事介入は人権侵害」(毎日新聞)

 プロ野球・巨人の清武英利球団代表兼ゼネラルマネジャー(GM)は11日、文部科学省内で会見し、巨人軍の渡辺恒雄球団会長(読売新聞グループ本社会長・主筆)が球団人事に介入し「球界で生きる選手、コーチ、監督の基本的人権をないがしろにした」として内部告発した。
 
 清武代表によると、岡崎郁1軍ヘッドコーチとの契約が内定しているにもかかわらず、今月9日、渡辺会長から「1軍ヘッドコーチは江川卓氏とし、岡崎コーチは降格させる」と告げられたという。
 
 清武氏は会見趣旨を説明する文書の中で「巨人にもコンプライアンス(法令順守)が要求される。それを破るのが、渡辺氏のような最高権力者であっては断じてならない」と痛烈に批判した。

 先日のドラフト会議後には改憲を社是とする新聞社の会長が「憲法違反だ!」などと言い出して面食らったものですが、今度は球団代表がなぜか文部科学省に乗り込んで、やれコンプライアンス違反だの基本的人権をないがしろにした云々とまくし立てては大泣きしたそうです。俗に言うメンヘラって奴でしょうか。仕事の疲れかどうかは不明ですが清武氏には心の病が疑われますので、しばらく仕事を休んで医者に診てもらった方が良いように思います。同時に会見場所を提供した文部科学省にも、もうちょっと良識が求められるところですね。人気球団のお偉いさんだからといって、個人が感情をぶちまけるために公の場を提供するのは適切だったのか、その辺は自省が求められます。

 まぁ、好きな球団を選べないドラフト制度とか球団に選手を縛り付ける契約制度とか、プロ野球の世界には不条理なローカルルールが色々とあります。こうした球界のルールを活用して選手を確保しようとする球団に罪はないにせよ、いざ憲法に照らして考えるとどうなのか、選手側が球団選択の自由や移籍の自由を求めて訴訟に出ればボスマン判決(契約が完了した後はクラブが選手の所有権を主張できない)みたいなことになってもおかしくないところもあるでしょう。他にも外国人枠なんていかにも差別的なものもあります。サッカーの話ですけれどスペインで活躍したヴァレリ・カルピンは自分を外国人選手ではなくEU枠内選手として扱うよう裁判を起こし、勝訴しました。日本でも誰かが声を上げてくれないかなと思わないでもありません。

 それはさておき、今回の清武代表の言う「コンプライアンス」はいかがなものでしょうか。親会社の会長が球団運営に口を出すのはプロ野球の世界に限らず嫌われる行為ですし、往々にして悪い結果に結びつくことの方が多いですけれど、それは法律なり憲法なりによって制限されるものではないでしょう。球団選択の自由を奪ったり選手を球団に縛り付けたり出自を理由に差別的な取り扱いをしたりとか、こういうこととに比べればオーナーの介入に違法性を見ることははなはだ困難であるように思います。それはあくまで球団の内部統制の問題であって、文部科学省という公的機関に場を借りて会見するようなことではないはずです。

 ロシアでは、ゴルバチョフはあまり評価されていないと聞きます。国外に向けてソ連の危機を語ったばかりで、国内に向けてのメッセージには乏しかったようです。では清武代表は、どうなのでしょうか。読売球団内部のゴタゴタを外に向けて暴露した一方で、それを収拾し解決する役割は、清武代表の次か、あるいはその次を待たなければならないのかも知れませんね。世間では憎まれ役の渡辺会長が相手であるだけに、公の場で相手の非を訴えれば世論を味方につけられるとでも踏んだのでしょうか、結果としては単に醜態をさらしただけのようですが……

 いずれにせよ、唐突に「憲法違反」だと言い出すオーナーがいれば、泣きながら「基本的人権」「コンプライアンス」と語る球団代表もいるわけです。何なんでしょう、両者とも憲法なり人権なり法令なりは守るべきものという認識に沿って話しているようですが、特に清武代表の方は法律に関するとらえ方が間違ってはいないかと思わないではいられません。憲法や法律を「正しいもの」として自己正当化のため、相手を非難するための旗印として持ち出すばかりで、実際の憲法や法律を尊重しているかと言えば大いに疑わしい気がします。まぁこの辺は、野球以外でも時に見られるものですね。考えの足りない発言だなぁと思うばかりですが、似たようなことは他でも出てきそうです。

 

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言語明晰意味不明 (エースをわらえ)
2011-11-15 19:38:10
九州電力、大王製紙、オリンパスから讀賣の問題まで、最近はコンプライアンスの話題には事欠かないようですね。

しかし、ではコンプライアンスとは何ぞや、と問われて明確に答えられる人はどの位いるでしょうか?また、答えられる人がいたとしても、統一した定義が得られるでしょうか?ある人は法令遵守、ある人は会社が社会に約束したことを守ること、ある人は約束だけでなく社会の期待に応えること、ある人は社会に迷惑を掛けないこと、ある人は現実的にマスコミに叩かれなければ良い、と無数の定義があるように思います。そうやって、各自が我田引水にコンプライアンスを定義するものだから、コンプライアンスに関する議論は、大抵発散します。

同様に政治家が使う民意という言葉も、政治家の数だけ定義があると思いますし、狡猾な弁舌家は、その場その場で微妙に意味を変えて使うので油断なりません。何れにせよ政治家が言う「民意」が有権者の期待する「民意」から乖離していることは往々にしてあると考えた方が良く、その意味では、何かにつけコンプライアンスと唱える経営者と同様、民意という言葉を頻繁に吐く政治家こそ信用できないように思います。

巧言令色鮮し仁、は現代も真理でありましょう。
現社会の末路 (ヘタレ一代)
2011-11-15 20:14:53
なんというかこの件は異常に自己評価が高い方が挫折した時に見せる反応に近い気がします。運悪く上手くいかなかった方たちを「努力しないから悪い」とか散々見下しておいて、いざ自分が同じようになった時に、「私のせいじゃない」と言うのと変わらないのではないでしょうか。

代表も野球界のルールで、不条理な面に目をつぶって(というより利用してきて)選手を獲得してきたはずですが、それに異を唱える部下がいたらどう反応したんでしょう。逆に「オーナー(の名を借りて実は自分)の意に沿えない様な無能者」とか言ったのではないかと思います。

ある意味巷で自己評価が高い方に対する反面教師のように見えるのですが。
Unknown (非国民通信管理人)
2011-11-15 23:51:03
>エースをわらえさん

 コミュニケーション能力よろしく、話者がそれぞれ自分に都合良く「コンプライアンス」を言う言葉を弄んでいる気はしますね。仰るように「民意」もまた、自分の背中を押してくれるときは絶対視する一方で逆風が吹くときは正反対の扱いだったり、掲げる旗ばかりは立派ですけれど、筋の通らない人が多いです。

>ヘタレ一代さん

 むしろ告発と言うより責任転嫁の色合いを強く感じさせる会見でもありましたからね。自己評価の高さが故に、結果が伴わなかった分だけ誰かを責めずには精神の安定を保てない、そういう清武代表の弱さを感じるところです。
Unknown (1010)
2011-11-16 21:57:53
文部科学省が貸したのではなくて、記者クラブが文部科学省が借りている部屋をクラブが会員社の人に貸した、てことらしいですね。
ここら辺iwkmさんとか突っ込まないのが不思議ですが。
Unknown (非国民通信管理人)
2011-11-16 23:36:25
>1010さん

 なるほど記者クラブでしたか。そうなると問われるべきは記者クラブの方ですが、不思議と記者クラブに敵意を燃やす人は無関心のようですね。
Unknown (ノエルザブレイヴ)
2011-11-26 21:00:10
ここまでの経過や周りの反応を見る限りでは「清武さんが支持されている」というよりは「ナベツネさんが嫌われている」という傾向のほうが圧倒的に強いような気がします。そして、それらは似ているようで違う気もします。
Unknown (非国民通信管理人)
2011-11-27 00:35:16
>ノエルザブレイヴさん

 元より、そのナベツネの嫌われ具合に清武氏は勝機を見いだしていたんじゃないでしょうかね。流石にナベツネが憎いからと清武氏を支持している人は、あまりいないようにも見えますが。

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