衆院、来年にも定数10減へ 首相、自民の先送り案撤回(朝日新聞)
衆院の議員定数が10削減される方向になり、新定数での衆院選は2017年以降に実施される見通しになった。安倍晋三首相が19日、定数削減を21年以降に先送りする自民党の案を撤回。15年の簡易国勢調査の結果に基づき、衆院議長の諮問機関の答申に沿って小選挙区で6、比例区で4の計10減する方針を示した。公明党、民主党も同調するとみられ、今国会に関連法案が提出される見通しだ。
首相は19日の衆院予算委員会で定数削減を先送りしないと表明。民主党の野田佳彦前首相の質問に、「党総裁として議論をまとめたい」と述べた。
定数削減については、当時の野田首相と自民党総裁の安倍氏が12年11月の党首討論の際、消費増税の自公民3党合意を受けた「身を切る改革」として実現することを約束。3党が13年の通常国会で実現させるとの合意書を交わし、衆院が解散された。だが、実現しないまま14年末にも衆院が解散され、その後も暗礁に乗り上げていた。
これまで、自民党は定数削減に後ろ向きだとして、野党や世論の批判が強かった。首相は、定数削減や「一票の格差」是正といった衆院選挙制度改革が間に合わなくても、解散権は縛られないとの見解を示しているが、定数削減にめどがつくことで批判がやわらぎ、夏の衆参同日選を含めて衆院を解散する環境がより整うとの見方もある。
政権を奪還したからには、自民党には民主党の誤りを正すことが求められても良さそうなものですが、消費税増税に続いて議員定数削減でも民主党との約束は守られてしまうようです。3党合意を反故にしてしまえば、それはそれで非難されることなのかも知れませんけれど、しかし過ちを認めて改めることもまた誠実な態度です。「民主党の求めに応じたのは間違いであった、民主党と取引したことを国民に謝罪したい」と言って決定を覆せば、私は安倍総理を支持しますね。
以前にも書きましたが、議席の数とは「有権者が国会に代表を送り込む権利」の数なのです。議席を削減するとはすなわち、当該地域の有権者の選挙権を減じることであり、言い換えるならば定数削減とは「国民の権利を切る改革」です。民主党や維新の党は議員定数の削減を「身を切る改革」と呼びますけれど、それは議席を「自らに与えられた特権」であるかのごとくに勘違いしているからだと言えます。民主党と維新の党は、議会制民主主義というものを理解していないのでしょう。そんな政党が議席を持っていることこそ民主主義の危機です。
曰く「自民党は定数削減に後ろ向きだとして、野党や世論の批判が強かった」とのこと。むしろ、この問題で一貫して受け身であった分だけ自民党は民主党その他の野党よりもマシであったと私は理解していますけれど、あろうことか党首が野党に屈してしまったと言えるでしょうか。民主党の言うことなんて無視していれば良い、世の中には耳を傾けるべき意見もあれば一蹴すべき類もあると思います。野党がうるさいからとか、あるいは世論に阿る形で国民の「議会に代表を送り込む権利」を削減してしまうのは、あまりにも安易です。
まぁ、自民と民主の間柄は阪神と読売のそれと同じ、表向きは張り合うようでいて、その実はプロレス的な演出に過ぎず裏では仲良くやっている共存共栄の関係でもあります。よりタチの悪い主張は民主の方に目立ちはしますけれど、仲良しの自民党はその意見を無視もできないのでしょう。消費税増税など典型的な、民主と自民の愛の結晶ですから。
その他の野党は、「議会に代表を送り込む権利の削減」をどう思っているのでしょうか。民主党と同じで議席は自分たちに与えられた特権、だから議員定数の削減が身を切る改革と考えている党もいれば、もう少し民主主義に理解のある党もあるはずです。ならば、よりタチの悪い主張にこそキッチリ抗議してくれても良さそうなものです。しかし、そういう党も「自民党に対抗することが第一」で、国民の権利なんて二の次になっているのかも知れませんね。







